T―岡田、 残留決定させたファンに届けたい勇姿 自身&チーム逆襲へのキーマンに

[ 2020年3月13日 08:45 ]

オリックスのT-岡田
Photo By スポニチ

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、20日の予定だったプロ野球の開幕は延期が決定。オープン戦が無観客で行われる中で、オリックス・T―岡田外野手は「不思議な雰囲気の中でやっているけど、見に来られる人も安心して見たいと思う。早く、お客さんがたくさん入った中で、試合をやりたいですよね」と絞り出した。

 1日も早く、ファンに勇姿を届けたい思いがある。昨季海外FA権を取得し去就に注目が集まる中で、残留を決断した理由がファンの声援だったからだ。昨季最終戦となった9月29日ソフトバンク戦(京セラ)。岸田護(現2軍投手コーチ)の引退試合で、7回にT―岡田が代打出場。結果は空振り三振だったたが、場内から温かい拍手を送られ「心を動かされるものがあった」と背中を押された。

 1本塁打に終わった昨季逆襲へ本気だ。昨年末にはプエルトリコのウインター・リーグに参加。「基本的なことですけど、打席では両目でボールを見る意識を持つようにして、その上で、できるだけ近いポイントで打つことをやってきました」。宮崎での春季キャンプでは全休日を返上して室内練習場で打撃練習を敢行。2月29日の日本ハム戦では、チームのオープン戦1号となる今季実戦3本目の右越えソロを放つなど結果を示してきた。

 今月3日には胃腸炎で同日のロッテとのオープン戦を欠場したものの、6日の巨人戦(京セラドーム)ですぐに復帰。新型コロナウイルスの感染拡大が続く札幌遠征から帰阪した直後だけに、周囲をヒヤリとさせたが、「コロナウイルスとは思わなかったですよ、咳も出なかったし、症状が違いましたから」。

 モヤや新助っ人ロドリゲスらと「一塁」「DH」を競う立場。オープン戦は13日時点で9試合で打率・286、1本塁打、4打点。西村監督からは「レギュラーで30本以上打ってほしい」と期待される。くしくも30本打てば通算200本塁打に到達。球団では過去に長池徳士、加藤英司、藤井康雄、ブーマー、石嶺和彦、福本豊の6人しかいない金字塔にも期待が懸かる。

 チームはメジャー282発を誇る超大物アダム・ジョーンズが加入。ただ、強打者揃いのパ・リーグで「打ち勝つ」ためには、生え抜き主砲の完全復活も絶対に欠かせない。「彼(ジョーンズが)入ったことはプラスだし、僕も気になったことは聞いていきたい。僕自身は周りを意識せず、自分の良いものをグラウンドで出せるように」。昨季最下位からの巻き返しへ、T―岡田がキーマンだ。(記者コラム・湯澤 涼)

続きを表示

2020年3月13日のニュース