楽天・涌井 プロ16年目の進化!移籍後初の古巣対決で新球シンカーに手応え

[ 2020年3月2日 05:30 ]

オープン戦   楽天2―3ロッテ ( 2020年3月1日    ZOZOマリン )

<ロ・楽>楽天・先発の涌井(撮影・会津 智海)
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 楽天・涌井が、新天地で地位を確立するための新たな「武器」を手に入れつつある。移籍後初の古巣対決となったロッテ戦。打者の特徴を熟知しているとあって、テストには絶好の相手だった。「そこまで手の内を明かすことはやっていないけど、新しい球に対する打者の反応を見ることができてよかった」。プロ16年目のベテランが口にした「新しい球」とはシンカーだ。

 球速は130キロ台中盤で、右打者の内角に食い込みながら鋭く沈む軌道。2回の先頭・中村奨への内角の初球が見逃しストライクになるなど、捕手の太田は「右打者のカウント球に使えたし空振りも取れた」と証言する。さらに、左打者にも有効だった。3回には福田秀を134キロの新球で三飛に打ち取った。高めに抜けたものの、外に逃げる変化で芯で捉えさせなかった。

 沖縄・金武での2次キャンプから本格的に練習を始め、小山投手コーチが現役時代に投げていたツーシームの握りをアレンジした。「球種は言えない」とけむに巻いたが「高校時代にちょっと投げたことがあるぐらい。楽をしたいから」と説明。元々球種は豊富だが、さらに投球の幅は広がる。伊藤投手チーフコーチも「球速が出るし切れもある。打者にとっては嫌な球筋で有効なのでは」と太鼓判を押した。

 古巣相手に4回2安打1失点と安定した投球を披露した。本人は「まだ先発のローテーションに入ったわけじゃないし、そこを取りにいく」と話すが、三木監督は「有力候補の一人であることは間違いない」と明言。再び輝きを取り戻すため、貪欲に新たなスキルを身につける。(重光 晋太郎)

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2020年3月2日のニュース