レオ戦士 台風19号の被災地を訪問 次の日への一歩を踏み出す活力に

[ 2019年10月25日 10:18 ]

被災者と記念撮影におさまる(前列中央左から)西武の外崎、秋山、源田
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 集まった人たちの中には、泥の付いた長靴を履いている人が大勢いた。今月20日、晴天の埼玉県東松山市。西武の秋山、外崎、源田の3選手が、台風19号で大きな被害を受けた同市内の一時避難所を訪問した。自宅での片付け作業などをしていた人はその手を休め、会場の「野本コミュニティセンター」に集合。束の間の笑顔が溢れる時間となった。

 「映像や写真も見た。こんなところまで水が来るのか…と。僕等の想像以上の被害だった」と秋山。3人は所沢の球団施設で練習を終えてから避難所へ。途中、被害にあった家などを見る機会があったという。「ニュースと違って恐怖感も感じた」と話したのは源田だ。

 東松山市では都幾川の堤防が決壊。約480戸が床上・床下浸水し、車の中で一人が亡くなっているのが見つかった。市内に避難所は4カ所。同コミュニティセンターでも20日の時点で36人が寝泊まりしていた。昼間は浸水などした自宅の片付けに追われ、秋山らが訪問した際は一時、手を休めて集まった。

 その場には森田光一市長の姿も。球団からはかつて球場で配ったチャンピオンマントやTシャツ、靴下など防寒具を差し入れ。マントを肩に掛けて「温かいねえ」と話した森田市長は「(選手の来訪は)本当にありがたい。皆さん、勇気づけられたと思う」と喜んだ。これから秋は深まる。気温も下がる。選手らの温かい行動が、被害にあった住民の心も温める。

 さらにはキッチンカーも出動。「若獅子カレー」200食が選手の手によってふるまわれた。地元企業で軟式野球をプレーする橋本隆一さんは台風の際、自宅の1階の天井近くまで水であふれた。野球道具も泥にまみれた。それを外崎に伝えると「頑張って」と励まされた。「会えてうれしかった」。その笑顔こそ、次の日への一歩を踏み出す活力となる。

 当日、取材を終えてから、撮影した写真をスポニチのツイッター公式アカウント「スポニチ野球記者」にアップした。「いいね」の数は4600以上。西武ファンはもちろん、多くの人から「ありがとう」「素晴らしい」などの声が寄せられた。日本シリーズが終了し、球界は本格的なオフに突入。FAなどのストーブの話題はもちろんだが、選手のこんな地道な活動も記事にしていきたいと思う。(記者コラム=鈴木 勝巳)

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