ハム プロ野球新初回11安打 「日本一涼しい町」釧路でアツく燃えた

[ 2018年8月1日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム14―1ロッテ ( 2018年7月31日    釧路 )

<日・ロ>初回1死満塁、アルシアの適時二塁打で生還した中田(左)らを出迎える日本ハムベンチ(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムは31日、ロッテ戦でプロ野球新記録となる初回の11安打で一挙10得点し、今季最多14得点。釧路開催では10年ぶりとなる白星を挙げた。1イニング11安打は球団新記録で、初回10得点も前身の東映時代に11得点した66年以来、52年ぶり。中田翔内野手(29)が初回だけで2安打3打点を挙げるなど、3安打5打点の活躍で記録的猛打を演出した。

 「日本一涼しい町」で日本ハム打線がプロ野球史上最もホットな猛攻だ。最高気温は23度。霧の街としても知られる釧路は濃霧注意報が発令され、釧路市民球場の周囲も幻想的な霧で包まれた。そんな地で、モヤモヤを一切感じさせない初回11安打の乱れ打ち。中田の顔に笑みがあった。

 「涼しくてやりやすかった。みんながつないでくれているので、何とかモノにしたい気持ちで立っている。応援を凄く感じたので、それに応えられて良かった」

 1死一、二塁から猛攻に火を付ける先制の左前適時打を放つと、ここから渡辺の死球を挟んで9打数連続安打。8点を加えて迎えたこの回2度目の満塁機では、左翼へ鋭い打球を運んだ。初回11安打の新記録を打ち立てた2点適時二塁打。今季は初回にイニング別最多の24打点を挙げる男が、その強さを存分に発揮した。3回にも左前適時打を飛ばし、今季最多タイの5打点。中田が今季打点を挙げた試合はこれで勝率・718だ。

 前日は新千歳空港から釧路空港へ向かう飛行機が濃霧による視界不良で着陸できず、新千歳空港へ引き返すトラブルに見舞われた。だが、それは吉兆だった。前回勝利を挙げた08年も濃霧で飛行機が欠航。陸路移動への変更を余儀なくされていた。またもトラブルが白星を呼び込み、平日のデーゲームながら球場を埋めた観衆1万2565人も大喜び。栗山監督は「ファンの皆さんが“来てくれてありがとう”という空気をつくっていた。皆さんの愛情に感謝している」と話した。

 チームは4カ月連続勝ち越しを決めて今季最多タイの貯金12。中田は球宴で死球を受けた左肘の状態に「ぼちぼち。良くはなっている」と言った。昨季の大不振から復活を遂げ、痛みを押して戦う主将。1日は盆地で暑い帯広のファンを熱くする。 (東尾 洋樹)

 ≪初回11安打はプロ野球新≫日本ハムが初回に11安打で10点を奪う猛攻。イニング最多安打は西武が92年7月15日ダイエー戦の5回にマークした13安打で、初回に限ると過去6度あった10安打を上回るプロ野球最多記録になった。

 また、イニング最多得点はロッテが09年6月11日広島戦の6回に挙げた15点。初回ではヤクルトが98年4月22日中日戦に記録した13点が最多で、日本ハムでは66年8月20日東京戦の初回、12年8月21日オリックス戦の5回にそれぞれ挙げた11点。イニング2桁得点はチーム通算5度目だが、初回にいきなりは前記東京戦以来52年ぶり2度目。

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