阪神・高山 点火1号!10点 昇格即!大勝導いた

[ 2018年6月13日 05:30 ]

交流戦   阪神10―5日本ハム ( 2018年6月12日    札幌D )

<日・神>4回、高山が斎藤から右中間に1号3ランを放つ(撮影・岩崎 哲也)
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 阪神・高山俊外野手(25)が12日の日本ハム戦(札幌ドーム)で1軍昇格即「2番・中堅」で先発出場。4回1死二、三塁から今季1号3ランを放つなど、2安打といきなり結果を出した。若虎を起爆剤に、打線は相手先発・斎藤に集中打を浴びせ4回KO。今季2度目となる2桁得点を挙げた猛虎が2位に浮上した。

 騒然とした雰囲気の中、打席の高山だけが冷静だった。「ファウルはファウルなので。何てことはなかったです」。2点リードの4回1死二、三塁。斎藤が投じたフルカウントからの7球目だった。真ん中直球を強振。捉えた打球は札幌ドームの右中間席へ突き刺さる、千金の1号3ランとなった。

 「得点圏だったので“ここでやってやる”という気持ちでした。リクエストがありましたが、ファウルで良かった。芯に当たり、ホームランになってくれて良かったです」

 直前の6球目、右翼線へのライナーはファウル判定となっていた。わずか数センチの誤差という微妙な一打。フェアなら2点は確実だっただけに、リクエストを要求した。だが、判定は覆ることなく“打ち直し”に。落胆しても不思議ではない中、それ以上の結果を出したのだから頼もしい。

 直球に差し込まれず、かつ体が投手側に流れることなくその場で回転する。「タイミングを早く取る」。「軸回転」。この2点が信条の高山にとって理想型の一発だ。昨季の4月16日の広島戦以来、自身2度目の2番起用。「そういう思いに応えたかった。今シーズンは期待に応えられていなかったので、まず一歩、踏み出せて良かった」と、昇格即の抜てきに結果で応えた。

 「悔しいのは当たり前で、何やってるんだろ…とも思う」。5月18日に2軍落ち。1軍とは違い毎朝6時に起床して球場に向かい、帰宅すれば、テレビの中ではライバル達がプレーしていた。痛感する自身のふがいなさ…。悔しい思いを糧に、ウエスタンで52打数18安打の打率・346の数字を残し、1軍に戻ってきた。

 2年前、ここ札幌ドームで受けた衝撃が頭から消えることはない。新人だった16年の同じ6月12日。現エンゼルスの大谷と初対戦し、3打数3三振を喫した。「対戦しているというより“あ、大谷だ”って。その時点で負けていた。気付いたら(打席が)終わっていた感じ…」。思わず苦笑いを浮かべてしまうほど圧倒された。

 「打てない時も、2軍に落ちても、温かい言葉をかけてもらった。1軍で活躍するのが恩返し」。今季初のお立ち台で述べたファンへの感謝。高山の“3年目”がようやく始まった。(巻木 周平)

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