山田、4番で盗塁王!59年ぶり快挙狙う 真中監督が固定明言

[ 2016年6月22日 05:33 ]

高津投手コーチ(左)からアドバイスをもらい、サイドスローでの変化球に挑戦する山田

 ヤクルト・真中満監督(45)が21日、山田哲人内野手(23)を「不動の4番」に指名した。昨季Vチームが最下位に低迷。23本塁打、55打点はリーグ1位、打率・325は同2位につける山田は「得点圏打率3割」を目標に掲げ、打線を引っ張る決意だ。盗塁17もトップ。4番打者が盗塁王になれば、球団前身の国鉄・飯田徳治(57年)しか前例のない快挙となる。

 首位の広島とは11ゲーム差。リーグ2連覇へ崖っ縁の燕軍団の浮上は、やはりこの男に懸かっている。神宮外苑での全体練習後、真中監督は24日のリーグ戦再開後の山田の打順を明言した。

 「4番でいってもらう。いい意味でマイペースにやってくれている。今のままでいい」

 今季、ヤクルトの4番は昨季打点王の畠山でスタート。4月12日から今月9日まではバレンティンが座った。10、11日のロッテ戦(QVCマリン)は畠山に戻ったが、その畠山が左有鉤(ゆうこう)骨の骨挫傷で戦線離脱。12日の同戦は川端が務め、山田は14日のソフトバンク戦(神宮)から4番に入った。6試合で3本塁打、6打点と実力発揮。左大腿部の痛みで2試合先発を外れたバレンティンが24日から復帰予定だが、それでも4番に座るのは山田だ。

 交流戦ではいずれも12球団トップの8本塁打、21打点。だが、チームは6勝12敗と大きく負け越し11位に沈み「8本打ったけど、チャンスの場面で打ったかというと打っていないので」と表情は晴れない。「僕が大事な場面で打てばチームが勝てる。得点圏打率3割にいきたい思いはありますね」。勝利のため、現在・275の得点圏打率を大台に乗せるつもりだ。

 練習前には、全選手を前に真中監督が「まだまだこれから。首位のチームにはそれを守る大変さがある。うちにもチャンスはあるのでしっかり戦っていこう」と訓示した。山田も思いは同じだ。「借金はこつこつ返していくしかないので、最後まで諦めずに頑張ります」。ペナントレースは残り半分。打撃3冠と盗塁王、全てのタイトルを照準に入れる男の力で、一歩ずつ逆襲の道を進む。(町田 利衣)

 ≪獲得すれば2人目≫山田(ヤ)は現在リーグトップの17盗塁をマーク。先発打順別の盗塁内訳は3番16盗塁(66試合)、4番1盗塁(6試合)となっている。過去にチーム試合数の半分以上で先発4番に座り盗塁王を獲得したのは57年飯田徳治(国鉄=40盗塁)だけ。山田が今後4番を務め、盗塁王を手にすれば59年ぶり2人目になる。

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