ダル 復帰後2戦2勝 自己最速タイ159キロ「違う投手になったみたい」

[ 2016年6月5日 05:30 ]

<レンジャーズ・マリナーズ>5回2死三塁、スミスを二直に打ち取りガッツポーズをするダルビッシュ

ア・リーグ レンジャーズ7―3マリナーズ

(6月3日 アーリントン)
 レンジャーズのダルビッシュ有投手(29)が3日(日本時間4日)、同率で並んでいたマリナーズとの首位攻防戦に先発し、5回2/3を6安打3失点。右肘手術から復帰後2戦2勝とし、チームを単独首位に導いた。メジャー自己最速タイの99マイル(約159キロ)を計測。マ軍の青木宣親外野手(34)とはメジャーで初めて対戦し、3打席とも抑えた。

 変化を横から縦に変えた。ダルビッシュは5回に2点目を返され、なお1死三塁で青木を迎えた。フルカウントからの7球目。スライダーは内角低めに鋭く縦に落ち、バットに空を斬らせた。

 「三振を取りづらい打者というのは分かっていたが、“絶対に三振”という気持ちがあった」。ゴロを打たれれば、失点する場面。ア・リーグで8番目に低い三振率11・5%の青木から三振を狙った。4、6球目に横に曲がるスライダーを投げ、軌道はインプットされていた。「もうちょっと変化を縦気味にして投げた」としてやったりだ。

 「前回ほど調子が良くなかった」。その分、速球主体に力を誇示したメジャー復帰戦とはひと味違うスタイルに変えた。右肘手術からの復帰後でもあり「全部完璧にいくことはない。走者が出てから思い切り投げようかなという感じ」とメリハリを利かせ、前日、パドレス相手に10点差をひっくり返した強打のマリナーズ打線に対抗した。

 走者を背負うとギアを上げた。圧巻は1点を失った後の3回2死一塁で3番カノを迎えた場面。メジャー通算225本塁打を誇る強打者に2ボール2ストライクからの5球目に内角低めに直球を投じ、メジャー自己最速タイの99マイル(約159キロ)を計測した。判定はボールで悔しがったが、最後はスライダーで遊ゴロに仕留めた。1年2カ月に及んだリハビリで筋力トレーニングを中心に体重を増やし、自身最大の107キロに。「思い切り投げたら99出るんじゃないかと一瞬思って出たので、違うピッチャーになったみたい」とパワーアップした自身に驚いた。

 青木には「技」。カノには「力」。さらに点差などによって強弱を付けた投球を「真っすぐで10マイル(約16キロ)の差があるから向こうも混乱していたかなという感じはあった」と手応えを口にした。88球で5回2/3を3失点。首脳陣から球数を85~95に制限され、6回2死一塁で降板した。それまで2打数1安打だった初対戦の李大浩(イ・デホ)に打席が回る前で交代。「対戦を楽しみにしていたし、投げたい気持ちが強かった」。唯一の心残りだった。(奥田 秀樹通信員)

 ▼マリナーズ・カノ 手術前と同じ姿でカムバックした。信じられない。

 ▼マリナーズ・岩隈(ダルビッシュの投球を見届け)やっぱり凄い球を投げますよね。

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