ヤクルト中村 9回2死逆転弾!吉見の白星も岩瀬のセーブも吹き飛ばした

[ 2016年4月24日 06:50 ]

<中・ヤ>9回2死一、二塁、逆転3ランを放ち、ガッツポーズで生還する中村。捕手・桂

セ・リーグ ヤクルト7―5中日

(4月23日 ナゴヤD)
 中日のエースと守護神の復活劇を一振りで消し去った。4―5の9回2死一、二塁。ヤクルト・中村が岩瀬の初球スライダーを捉える。勝利の瞬間を待ちわびる中日ファンの悲鳴とともに、打球は左翼席へ飛び込んだ。

 「ひょっとしたらと思ったが、まさか本塁打とは。出来過ぎだと思う」。まさに起死回生の逆転3ラン。吉見の350日ぶりの白星も、岩瀬の632日ぶりのセーブも吹き飛ばした。通算402セーブを誇るレジェンド左腕から放った今季2号に「岩瀬さんの代名詞はスライダー。それを打てたのはうれしいし、自信になる」。今季初の猛打賞で自己最多タイの4打点を挙げ、自らのモヤモヤも吹き飛ばした。

 開幕から全試合でスタメンマスクをかぶるが、チーム防御率は5点台と低迷。「打たれるのは投手のせいだけではない。僕のリードもある」と責任を痛感している。本拠地での試合後には、野村バッテリーコーチと何度も何度もビデオを見直し反省会。この日は小川が5回5失点と崩れたが、救援陣の無失点リレーが最後の粘りを生んだ。

 打撃でも打率2割前後と調子が上がらない日々。真中監督の助言もあり、この日の練習では宮出打撃コーチと(1)バットを8の字に振る(2)速い球を打つ(3)バスターと3種類のティー打撃に取り組んだ。アッパースイングとなっていたためヘッドを立てて打つことを確認。恩返しの一撃に、指揮官も「年に何回かあるかないか。いいところで打ってくれた」と喜んだ。

 名古屋入りした21日の夜、山田や原樹とステーキに舌鼓を打ち、4試合先発して白星のないルーキーに「勝てていなくても気にするな」と励ました。その原樹は24日、プロ初勝利を目指すマウンドに上がる。「1勝をプレゼントしたいので、明日も必死に頑張りたい」。頼れる扇の要が最高のバトンを渡した。 (町田 利衣)

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