早実・清宮 重圧歓迎!甲子園見に来て「注目されてナンボ」

[ 2015年7月31日 07:15 ]

甲子園の開会式で使用される100年前の早実ユニホームを着た菅野(中央)と並んでポーズをとる清宮(左)と加藤主将

 第97回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)に5年ぶりに出場する早実(西東京)は30日、八王子市の同校グラウンドで練習を公開。「和製ベーブ・ルース」こと、注目の清宮幸太郎内野手(1年)は、過熱するフィーバーを歓迎し、満員の甲子園を熱望した。この日は、愛知大会決勝が行われ、中京大中京が愛工大名電を下し、5年ぶり27度目の出場。31日は大阪大会決勝が行われ、49代表が出そろう。

 20社の50人を超える報道陣に囲まれ、1年生スラッガーは笑っていた。甲子園本番を前に早くも過熱する清宮フィーバー。しかし、リトル時代には世界大会も経験している16歳は重圧を楽しんでいるかのようだった。

 「注目していただき期待も大きい。それに応えたときは快感。注目されてナンボだと思っている。今は期待に追いついていないけど、いつも通りの自分なら(期待に)応えられると思う」

 既に高校通算13本塁打。西東京大会は一発こそ出なかったものの、20打数10安打の打率5割、10打点と爆発。26日に行われた東海大菅生との決勝戦は神宮球場に2万8000人を集めた。「球場の歓声は力になる。プレッシャーはない。(甲子園も)たくさん見に来てほしい」と、満員の甲子園も大歓迎だ。

 練習でも大物ぶりを発揮した。フリー打撃で、なぜかバットに当たらない。最初の12スイング中8回は空振りだった。「前に突っ込みすぎていたのでポイントを後ろにしたら、当たらなくて空振りしちゃった」。大会直前に打撃改造に取り組む度胸も一流だ。修正した後は、推定120メートルの場外弾など計34スイングで3本の柵越えを放った。

 のちに球界を代表する選手になったPL学園・清原や大阪桐蔭・中田は、1年夏の甲子園で本塁打を放っている。清宮にも聖地での一発に期待がかかるが「勝利が大事。ヒットの延長でホームランが打てればいい」と、そこは謙虚に言った。

 29日には、父でラグビー・ヤマハ発動機監督の清宮克幸氏が講演会で「僕がヤマハで日本一、20日には弟(福太郎)が(北砂)リトルで日本一になった。今、清宮家は2冠なので甲子園を制したら3冠ですね」と期待を寄せた。これには「“俺だけじゃん”みたいな。追いつきたい」。「清宮家3冠」もモチベーションの一つだ。

 今年は開幕を早めたために甲子園練習は行われないが、「知らなかった」と笑いを誘った清宮。「待ち遠しくて仕方ない」と言う無邪気な16歳が甲子園で大暴れする。 (渡辺 剛太)

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