マエケン、黒田が悩める大瀬良にエール「持ちつ持たれつ」

[ 2015年6月26日 05:30 ]

練習中に笑顔を見せる黒田

 広島の誇る両巨頭が25日、悩める右腕にエールを送った。救援登板した4試合のうち3試合で失点し、不本意な投球が続く大瀬良大地投手(24)を前田健が、黒田が、思い思いの言葉で激励。とりわけエースのそれは、中崎を“再生”させた実績があり、説得力を持つ。畝投手コーチは引き続き、大瀬良に勝利の方程式を任せる意向を表明。新人王の巻き返しに期待だ。

 新春自主トレにも誘い、公私でかわいがる後輩を前田健は気にかけていた。救援転向後に苦闘が続く大瀬良に関する質問に「ボクは中継ぎの経験がない。特に声は掛けていません」と一度は言った。が、立場、胸中をおもんぱる言葉が続けざまに口を突いた。

 「8、9回は難しいと思う。1イニングで勝負が決まる。先発とは別もので、重圧もかかる。先発でも9回は難しいですから」

 助言も送っていた。150キロ超の剛速球を持つ本格派。限られたイニングを任されたことによる奪三振願望に理解を示しながら「全力でいけば、抑えられるというもんじゃない。先発と同じように力を入れる時は入れ、打者を抑えることが大事」と説いたという。

 言葉力は折り紙付き。8回を2失点に抑えながら抑えの中崎が逆転を許し、5勝目が消し飛んだ2日の日本ハム戦(マツダ)後のエールが記憶に新しい。「失敗や後悔をどうとらえるか。悔しい気持ちを残り試合にぶつければ、チームにはきっとプラスになる」。以降の中崎は7試合連続無失点中と息を吹き返した。

 黒田もまた豊かな才能を持つ2年生の底力に期待した。7回3失点と粘投した23日の阪神戦(長野)では大瀬良が救援失敗、7勝目がスルリと逃げた。「リベラにもたくさん勝ちを消されましたしね」。苦笑しつつ、通算652セーブを誇るヤンキースの守護神の名前を挙げ、謝罪した24歳に含蓄ある言葉を送った。

 「先発が他人の勝ちを消すことはないけど、リリーバーは常に背中合わせ。やった者にしか難しさは分からないと思う。同じチームメートなので持ちつ持たれつだし、彼の長い野球人生の中でプラスにしてくれたら」

 遠征先の富山から本拠地に戻り、投手陣の練習に付き添った畝投手コーチは起用法について「結果は出ていないけど、同じポジションで投げてもらわないといけない」と明言。投球フォームなどを修正しながら復調をうながす方針を示した。

 中日の敗戦で最下位からは脱出。混とんとするセ界で大瀬良が巻き返しへの切り札的存在であることは間違いない。先輩2人の言葉を、どう受け止め、どう生かすか。注目だ。

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2015年6月26日のニュース