阪神 5・12最下位からついに首位浮上 リーグ唯一貯金1

[ 2015年6月25日 05:30 ]

<広・神>ハイタッチする阪神ナイン

セ・リーグ 阪神7-2広島

(6月24日 富山)
 混とんを極めるセ・リーグで、阪神が首位を奪った。24日の広島戦に11安打7得点で快勝し、1分けを挟み4連勝。DeNAに敗れた巨人を抜き、4月4日以来81日ぶりにトップに立った。5月以降の首位は13年6月12日以来742日ぶり。5月12日には最下位にいて、同24日時点で当時首位のDeNAと最大7ゲーム差があったが、ここ5試合連続2桁安打と元気が出てきた打線の力で浮上を遂げた。

 前夜は5時間13分を戦い、34分間の雨天中断もあった。深夜零時近くまで戦ってドロー…。けだるい流れを引きずるかに思えた試合が、初回から動いた。阪神の1、3番が完璧に機能した。

 「甘い球を積極的に打つつもりだった」と1番・鳥谷。広島先発・野村の第1球を叩き、右中間二塁打でチャンスメークした。柴田が送って1死三塁。3番・福留が牙をむく。3ボールからの4球目。相手バッテリーがストライクを欲しがった外角真っすぐを、いとも簡単に右前へ運んだ。9球で先制に成功した。

 「1番・鳥谷、3番・福留」の新オーダーを試みた16日の日本ハム戦から、チームは連勝街道に乗った。2人の積極打法が打線を勢いづけ、4回には今成の2点適時二塁打などで4点。5回はマートンが一発、7回はゴメスが適時打を放ち、クリーンアップがそろって打点を挙げた。和田監督は「良い形で点を取れた。攻撃のリズムというかね」と満足げだった。

 天国から「長さん」が見ていた。11年6月28日、富山遠征中に当時チーフスコアラーだった渡辺長助氏が心筋梗塞のため54歳で急逝――。和田監督は「富山へ来れば長さんのことを思い出すし、いろんな意味で良い試合を見せられて、喜んでくれていると思う」と言った。打撃コーチだった頃、的確な敵情分析にどれだけ多くの助けを得たことか。万感の思いを込めてタクトを振った。

 長野から富山への移動試合。両駅を48分でつなぐ北陸新幹線の開通が可能にした連戦で、首位の座を奪った。前日は巨人と同じ勝率5割ながら、複数の勝率1位球団の順位付けは勝ち数優位とするリーグ規定で2位のまま。この日は逆に、巨人が勝っていたとしても、勝てば勝率差で首位を奪える状況だった。まさに混とん…。セで唯一の貯金を持った指揮官は「一日で変わる。変わらないようにやります」と気を引き締め直していた。

 ▼阪神・マートン(2号ソロなど今季5度目の猛打賞。富山では打率.583)これから(首位打者に輝いた)去年と同じように打っていきたい。

 ▼阪神・福留 これまで投手に迷惑かけてきたし、こういう(大量点の)試合があっていい。

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