大谷もう足つらない!コンブ1年分“差し入れ”3冠馬も食べていた

[ 2015年5月8日 08:10 ]

札幌の室内練習場で投げ込む大谷

 右ふくらはぎのつりで投手、野手ともに出場を控えている日本ハム・大谷翔平投手(20)が、自身のプレーヤーズデーとなる16日のオリックス戦(札幌ドーム)で、応援大使を務める北海道浦河町から地元特産の「日高昆布」1年分を贈られることが7日、分かった。昆布は足のつりに効果があるミネラルが豊富に含まれ、同町生まれで伝説の戦後初のクラシック3冠馬シンザンも食べていた。大谷は8日のイースタン・リーグ、DeNA戦(横須賀)で実戦復帰する。

 今から50年以上前。自然豊かな北海道浦河町で戦後初のクラシック3冠馬が生まれた。同町関係者は「昔は飼料(牧草など)に昆布を混ぜて馬がミネラルを摂取していた時代がある。シンザンもそのうちの一頭」と証言。開幕5連勝中の大谷にとって足のつりの予防策は最大の課題。その鍵を握るのが、この昆布だ。

 16日のオリックス戦(札幌ドーム)はプレーヤーズスペシャル「大谷翔平デー」。その試合前に大谷は応援大使を務める浦河町から特産品「日高昆布」1年分(2・5キロ)を贈呈される。100%天然の高級品で「昆布に含まれるマグネシウム、カリウムなどのミネラルが足のつりに効果がある」と同町関係者。含まれるミネラルは、牛乳の約23倍だ。決して大きくない馬体にもかかわらず、大舞台で勝負強さを発揮し続けたシンザン。その力の源は紛れもなく、この昆布にあった。

 多量の発汗によって体内からミネラルが失われることが足のつりの原因とされるが、緊張やストレス、過度な運動による疲労もその一因となる。これまで大谷は小まめな水分補給、ストレッチ、着圧式のウエアをはき血流を促すなどの工夫を凝らしていた。贈呈される日高昆布は乾燥された昆布で、主に鍋などのダシとして使用されるが、そのまま食べることもできる。4月26日のオリックス戦(札幌ドーム)で右ふくらはぎがつり、5回で降板。昨季から通算6度も同じアクシデントに見舞われ、対策が急務だっただけに、昆布はこれ以上ないプレゼントだ。

 4月26日以降、出場を控えていた大谷は、8日のイースタン・リーグ、DeNA戦(横須賀)で実戦復帰。中継ぎで2イニングを投げる予定だ。この日、休日返上で札幌市内の室内練習場のブルペンで28球を投げ「違和感は特にない。いつも通り」。練習後は遠征先の大阪へ移動したチームと離れて、東京へ向かった。順調なら登板2日後の10日のオリックス戦(京セラドーム)で一足早く野手で復帰し、14日の西武戦(札幌ドーム)で投手として先発復帰する。

 「もう練習はやっている。あとは試合に出ているかどうかだけ」。開幕6連勝を飾り、2日後の16日は先着2万人にオリジナルフラッグが配布され、札幌ドームが背番号「11」一色に染まる。浦河町からも応援ツアーが組まれ、大谷ともう1人の応援大使・白村の写真が彩られたラッピングバスが運行する。伝説の名馬も食べた昆布も届けられ、最速162キロ右腕の力になる。

 ▼横浜市・福田医院、福田伴男院長(77) 汗をかく仕事をしているとミネラルが足りなくなり、ふくらはぎのつり、痙攣(けいれん)、指のつりといった症状が出る。また過度の運動をすると疲労、乳酸がたまりやすくなる。それは一流の選手だろうが、同じこと。活性酸素が血液中にたまり、頭痛、肩こり、足のつりが起こることがある。昆布はミネラルが他の食物より豊富に含まれている。民間的には足のつりを予防するため昆布を摂取することは理にかなっている。

 ◆浦河町 北海道の日高振興局管内に位置し、札幌からは約180キロ。北は日高山脈、南は太平洋に面している。面積は694・26平方キロメートルで、その81%が山林。海洋性気候の影響で夏は涼しく、冬は温暖。人口は4月末現在で1万3150人。町内には約300の牧場があり、4000頭以上のサラブレッドが飼育されている。特産品は日高昆布、サケ、マス、スルメイカなど。

 ◆シンザン 1960年代に大活躍した競走馬。63年11月にデビューし、64年に皐月賞、日本ダービー、菊花賞を制覇。戦後初のクラシック3冠馬となった。65年には秋の天皇賞、有馬記念などにも勝ち、その走りは「鉈(なた)の切れ味」と称された。19戦15勝で2着4回。引退後は種牡馬としてミホシンザンなどを輩出した。96年7月13日に死んだ。墓、銅像が浦河町の谷川牧場にある。

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