ソフトB摂津に注文 佐藤コーチ「嶋に走られているようじゃダメ」

[ 2015年3月1日 05:30 ]

<ソ・楽>2回を3安打1失点の摂津

オープン戦 ソフトバンク4-1楽天

(2月28日 ヤフオクD)
 3・27へ、上々の試運転!球団初となる4年連続の開幕投手に指名されているソフトバンク・摂津正投手(32)は28日、ヤフオクドームで楽天とのオープン戦に初先発し、2回3安打1失点。3盗塁を許すなどセットポジションでの課題を残したが、初戦としては想定内の滑り出しだった。試合は4―1で勝ち、工藤公康監督(51)が本拠地初勝利を飾った。

 内容が詰まった43球だった。エース摂津がオープン戦初登板で2回1失点。ファン目線で見れば3安打3盗塁は気がかりではあるものの、初戦としては完全に想定内の投球だった。

 「真っすぐはそんなに力を入れなくても走っていた感じはした。変化球の精度が悪かった。カーブがバラバラだったんでこれから修正しないと」

 打者に対して投げるのは16日のキャンプ第4クール3日目に打撃投手を務めて以来。シート打撃や紅白戦に登板しなかったことを考慮すれば、ほんの肩慣らしの段階だと言える。工藤監督も摂津の思惑を立ち上がりから感じ取っていたようだった。「ブルペンではカーブと真っすぐ主体で投げていた。試すのはいい。ブルペンとマウンドでは違うから体感できたのはよかったんじゃない」。摂津に関してはすでに開幕投手を託していることから絶対の信頼を置いている。調整方法にも口を出すつもりは一切ない。

 さらに、この日の摂津には、先発マスクをかぶった斐紹を実戦で育てる狙いもあった。「(配球は)任せると言った。逆に、こちらにも新しい発見があるかもしれないから」。何よりも経験が必要なポジションである捕手に生きたアドバイスを送るのも登板のテーマの一つだったのかもしれない。

 もちろん、3盗塁は今後の大きな課題にはなった。「クイックもそうだけど、けん制をもっと入れるとかランナーを走りづらくするようにはしないといけない」。打者に集中することも大事だが、2回の失点は盗塁後に嶋に右前適時打を浴びただけに修正は必要だ。佐藤投手コーチも「あれは直さんといかんやろ。嶋に走られているようじゃ駄目だわな」と指摘した。

 指揮官にとっては本拠地初勝利。選手からウイニングボールを受け取り「気を使わせるのは良くないけど、うれしい気持ちでいっぱい」と笑みを浮かべた。機動力野球を掲げるデーブ楽天に計4盗塁を許したが「シーズンではここまで走るとは思わない。キャッチャーの練習になるし、ありがたい」とライバル心もチラリ。最後に「いろいろ試したかったからだろう」とエースの“実験”を喜んで見つめていた。

 ◆摂津の昨年オープン戦初戦VTR 3月5日のヤフオクドームでの阪神戦に先発。4回を投げ、無安打無失点6奪三振をマーク。許した走者は初回の鳥谷への四球だけとほぼ完璧だった。新球のカットボール、シュートにも手応えをつかんだ。これに先立ち、2月27日に宮崎アイビーでヤクルトとの練習試合に2番手で登板。2回無安打無失点に封じた。

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2015年3月1日のニュース