今オフ目立った「父子鷹」黒田に金城、人的補償の奥村も

[ 2015年1月22日 12:30 ]

巨人からヤクルトへの移籍が決まり、入団会見に臨んだ奥村

 今季のプロ野球新入団選手、および移籍選手の中には、ある共通点を持った選手が多い。それは「父子鷹」選手であるということ。

 広島に復帰した黒田博樹。その父・黒田一博は南海、高橋ユニオンズ、大映などでプレー。内野手、外野手とポジションを問わずプレーした、今でいうユーティリティープレーヤーだった。

 中日から戦力外通告を受け、巨人に育成選手として入団した堂上剛裕。その父・堂上照は元中日の投手で、引退後は球団寮の寮長を務めた。ちなみに、堂上剛裕の弟、堂上直倫(中日)は今季から兄・剛裕がつけていた63に背番号を変更。袂を分かちながらも意思を受け継いだ兄弟たちの対決が実現したときに、父はどんな心境になるのだろうか。

 巨人の育成ドラフト2位で新入団した川相拓也。その父は犠牲バント世界記録で有名な川相昌弘。現在は巨人のヘッドコーチという要職を務める。巨人では長嶋茂雄・一茂親子以来となる1軍での父子鷹を実現するべく、川相拓也は新人合同自主トレでは柔軟測定と持久走でトップになるなど、高い身体能力をアピールした。

 FAでDeNAから巨人に移籍した金城龍彦。その父・金城晃世はかつて近鉄に所属したプロ野球選手だった。しかし、プレーしたのは2年で、1軍出場はわずか1試合に終わってしまった。今年39歳を迎える金城龍彦は来年以降も現役生活を続けられるかどうかの正念場を迎えている。1試合でも多く、1年でも長くプレーしたいところだ。

 オリックスにドラフト1位指名された山崎福也。その父・山崎章弘は、関西で行われている独立リーグ・BASEBALL FIRST LEAGUEの兵庫ブルーサンダーズの監督を務め、現役時代は巨人、日本ハムで捕手としてプレーした経験を持つ。ただ、そのほとんどは代打での出場だった。山崎福也はドラフト1位と高い評価を得ているだけに、1軍のマウンドでの活躍を期待したい。

 巨人にFA移籍した相川亮二の人的補償として、ヤクルトが獲得したのが奥村展征。その父・奥村伸一はプロ経験はないが、社会人野球のプリンスホテル(2000年に解散)でプレーした経験を持つ。当時のチームメイトが宮本慎也(元ヤクルト)で、父の球友の影響からか、巨人に入団した当時は「宮本さんのように、数字も残して、誰から見ても一流だと言われる選手になりたい」と語っていた。その宮本の古巣・ヤクルトに移籍したのは何かの運命か!?

 本稿では今季の新入団、および移籍組から「父子鷹」を取り上げたが、それ以外でもまだまだ父子鷹選手は多い。プレーの奥に垣間見える家族たちの物語にも注目すれば、プロ野球をもっと多角的に楽しめるのではないだろうか。(週刊野球太郎編集部)

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