バレ 満弾15号 うち5本は巨人戦「自分に挑戦してくれる」

[ 2014年5月15日 05:30 ]

<巨・ヤ>4回2死満塁、左越え満塁弾を放ちポーズを決めるヤクルト・バレンティン

セ・リーグ ヤクルト10-3巨人

(5月14日 ひたちなか)
 ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が14日、巨人戦の4回に今村信貴投手(20)から3試合連続アーチとなる15号満塁本塁打を放った。シーズン本塁打は55本ペースながら、開幕39試合目での15号到達は4年目で自己最速。来日2本目のグランドスラムで今季最多の4打点を叩き出した主砲の活躍で、チームも最下位を脱出した。

 その時、ひたちなか市民球場に吹いていた強い逆風がぱたりとやんだ。2―1で迎えた4回2死満塁。打席にはバレンティン。4球目、内角低めの直球をすくい上げると、打球を阻むものはもうなく、左中間席に飛び込んだ。3戦連発となる今季15号はグランドスラム。これで早々と試合の大勢を決めた。

 「たまたま良いタイミングで風が止まってくれた。前の打者がつないで塁に出ようという気持ちを強く出してくれた。皆さんのおかげ」

 速球で押されて変化球で三振に仕留められた3回の打席の反省を生かしてポイントをやや前に修正し、速球を捉えた。直前には1死一、三塁から比屋根がスクイズに失敗。追加点が奪えなければ主導権を譲る局面だっただけに、小川監督は「攻撃面でも守備面でも、かなり大きかった」と最敬礼。これで同球場での連敗も5で止めた。

 来日から昨季まで3年連続で本塁打王を獲得したが、意外にも満塁弾は2本目。バレンティンへの恐怖心から前の打者と勝負に出ること、塁が空いていれば勝負を避けられることも「要因」だった。それだけに「満塁弾は他の本塁打とは大きな違いがある」と喜んだ。

 チーム39試合目での15号は11年の44試合目を上回る自己最速ペース。プロ野球記録の60本塁打した昨季の52試合目より13試合早い到達となった。今季放った15本のうち、巨人戦が5本と最多。その理由を「自分に対して挑戦してくれる気持ちが強い。歩かされるより好きなタイプ」と分析。真っ向勝負に来る巨人投手陣を自身のパワーで粉砕している格好だ。

 4日に痛めた右内転筋の状態は現在もそれほど改善されてはいない。それでも、心優しき助っ人は、11日の母の日にはアムステルダムに住む母・アストリットさんに電話で感謝の意を伝えると「ありがとう。いつも愛している」との声が返ってきたという。地方開催で移動続きの今遠征では外出を控えるなど体調管理にも気を配る。「3試合打てたからあすも打てるかは分からない。一日一日の積み重ね」。謙虚な主砲だが、量産態勢に突入した気配だ。

 ≪今村から今季3本目≫バレンティン(ヤ)が15号満塁本塁打。自身満塁弾は昨年7月13日広島戦で放ったのに次いで2本目になる。今村(巨)からは4月17日に2本塁打しており今季3本目。1人の投手からシーズン3本以上マークしたのは11年須田(横)3本、13年大竹(広)4本、同年吉川(D)3本に次ぎ4人目だ。これで今季巨人戦は29打数12安打(打率.414)、5本塁打、11打点。昨年はセの球団では阪神の7本に次いで少ない8本止まりだったが、今季は量産の構えだ。

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