一振りで交流戦V決める 小笠原は代打の切り札に

[ 2012年6月16日 06:00 ]

ゲージの後ろで原監督が見つめる中、フリー打撃をする小笠原

 役者はそろった。交流戦優勝マジックを1とした巨人は15日、Kスタ宮城で全体練習を行い、左太腿裏肉離れで離脱していた小笠原道大内野手(38)が1軍に合流。16日の楽天戦(Kスタ宮城)で約1カ月半ぶりに戦列復帰する。原辰徳監督(53)は小笠原を復帰戦では代打の切り札として起用する意向。厚みを増した攻撃陣で、交流戦8年目でのセ・リーグ初優勝を16日に決める。

 独眼竜政宗が築いた杜の都で、ラストサムライが加わった。大一番を前にしたKスタ宮城での全体練習。2軍生活で日焼けした小笠原が差し出した右手を、原監督が笑顔で握り返した。

 「久しぶりだったんでね。笑顔で迎えてくれたからね。あとはやるだけです」。5月2日広島戦(東京ドーム)の試合前練習で左太腿裏を肉離れ。翌3日に出場選手登録を抹消された。44日ぶりに加わった1軍の練習。交流戦優勝マジック1として楽天戦に臨むチームに、自然と溶け込んだ。フリー打撃で鋭い打球を飛ばし、一塁でのノックでは軽快な動きを披露。100%の状態かと聞かれ、小笠原はうなずいた。原監督も「いい状態だと思います」と言った。

 復帰戦となる16日の楽天先発は左の塩見。交流戦では連敗がなく16勝6敗と貯金を10積み立てたチーム状態の良さもあり、左打者の小笠原の先発は17日からとなった。「今は凄くいいチームバランスなので、やみくもに(打線を)崩そうというのはない。危険だしね」と原監督。一方で「そこに割って入ってくる力があればそれは非常にいいこと」と好調の打線がさらに厚みを増す手応えを口にした。復帰戦は代打で通算打率・287のベテランを好機での切り札として起用し、交流戦Vをつかむ。

 札幌から仙台に移動したこの夜、首脳陣、選手、スタッフが一堂に会した決起集会が仙台市内の焼き肉店で開催された。毎年恒例だったが、昨年は東日本大震災の影響もあって首脳陣とスタッフのみだった。チーム全体では2年ぶりの開催。名物の厚さ2センチ近い牛タンなどに舌鼓を打った。

 結束を強め、この日食べた牛タンのように厚みを増した打線で交流戦初Vへ。小笠原は「ただ自分のプレーをしっかりやるだけだと思う」と短い言葉に力を込めた。

 ≪勝てば無条件でV≫巨人の交流戦初優勝が16日にも決まる。巨人が楽天に勝てば無条件で、引き分けた場合は、ロッテが阪神に△か●で優勝となる。また、巨人が敗れるか、雨天中止となっても、ロッテが●で、日本ハムがヤクルトに△か●なら他力でVが決定する。

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