宮国 阿部うならせ村田三振斬り!

[ 2012年2月15日 06:00 ]

ハート形に並んだ女性ファンの真ん中で笑顔の巨人・宮国

 未完の大器がついにベールを脱いだ。巨人の2年目右腕、宮国椋丞投手(19)が14日、紅白戦で「1軍デビュー」。紅組の2番手で3回から登板し、超スローカーブで緩急をつけるなど非凡な投球で、2回1安打無失点と好投した。

 まだ顔にあどけなさが残る19歳とは思えない投球術だった。4回2死一、二塁。高橋由を打席に迎えての初球。マウンド上の宮国が選択したのは球速98キロの超スローカーブだった。大きな弧で一度浮き上がるようにして落ちる独特の軌道を描くことで、「瞬間の間」を生む。完全にタイミングを外された高橋由は空振り。続く直球で左飛に仕留めた。

 「練習では球の切れやフォームを意識するけど、実戦では考えていられない。全力で抑えにいった。結果的に0に抑えましたが内容はまだまだ」

 向上心が厳しい言葉を並べさせたが、何より必要な結果を示した。この日の直球は130キロ台中盤だったが、シーズンでは最速147キロを計時する。右腕のしなりが強烈なスピンを生み出すストレートが生命線だが、そこに50キロ近い緩急を生み出すスローカーブ。川口投手コーチは「彼は先発らしく緩急をつけられる投手。直球とカーブを重点的に投げてフォームをつくってほしい」と期待を寄せた。

 ピンチでスローカーブを投じる度胸に加え、4回1死一塁では阿部に対し初球に外角スライダー、2球目は一転して内角に直球を突き簡単に追い込んだ。「審判に聞いたら“いっぱいいっぱい”と言ってた。あれは手が出なかった」と4番兼主将。続く村田からはスライダーで空振り三振を奪った。

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2012年2月15日のニュース