星野氏“落とす”!「楽天リポート」でアタック

[ 2010年10月13日 06:00 ]

 星野新監督誕生への切り札があった。楽天が阪神・星野仙一SD(63)への正式な監督就任要請の際、チームについての詳細が記された「楽天リポート」を使ってプレゼンテーションを行う可能性が浮上した。

 正式要請は阪神のCS終了後にも行われる予定。星野SDは監督就任への最終判断として「チームがどういうコンセプトを持っているか、例えばどういう補強をするとか、どういうチームをつくりたいとか。私とマッチするかしないか」と話しているが、日本を代表するIT企業が親会社だけに、情報収集とデータ化は楽天の得意分野だ。
 対戦相手はもちろん自軍のデータ量も豊富で、コーチ陣は試合中のメモを参考に試合後1、2時間かけてリポートを作成している。選手個々の長短所、課題を記したカルテもあり、試合の度に情報が更新されている。詳細なデータは選手、首脳陣、フロントで共有。さらに、グラウンド外のマーケティング部門や営業部門の資料の閲覧も可能となっている。
 この「選手のデータ」から「経済事情」までを具体的に示す「楽天リポート」を使えば、星野SDが求める「チームコンセプト」の説明に大きな威力を発揮するのは間違いない。球団関係者は「多くの情報やデータは星野さんをサポートするはず。自らの目で確認したいこともあるだろうけど、負担や不安を軽減できる」として同リポートは監督就任後も選手起用、采配の大きな手助けになるとした。
 星野SDは要請受諾の可能性について「自分がやる気があるかないかですわ。がーっと来るものがあるかないか。燃えるものがね」としている。闘将の心を動かすことができるのか。「楽天リポート」が、その決断のカギを握っている。

 ◆経過
 ▼9月19日 楽天の最下位が確定。
 ▼同29日 楽天が2年契約1年目だったブラウン監督の今季限りでの解任を発表。
 ▼同30日 阪神・星野SDが来季監督の最有力候補に挙がっていることが表面化。
 ▼10月3日 阪神・坂井オーナーが「星野さんの考えを尊重します」と決断を本人の意思に委ねる意向を示す。
 ▼同4日 大阪市内で楽天・三木谷球団会長と坂井オーナーが極秘会談。楽天側の星野SD「譲渡」申し入れを阪神側が了承。
 ▼同6日 星野SDが都内で講演。「仙ちゃんだけに仙台に行っちゃおうかな」とリップサービス。楽天・米田球団代表は監督候補であることを明言。
 ▼同7日 星野SDは日本テレビ系「ZERO」で、正式要請があった場合は必ず交渉の席に着くと明言。楽天側は正式就任要請を阪神のCS終了後と明かした。

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2010年10月13日のニュース