ブラ最速30号!虎0・5差で首位攻防3連戦だ!

[ 2010年7月12日 06:00 ]

<神・横>2回裏1死、右中間に30号ソロを放った阪神・ブラゼル(左)は、直後に左超えソロを放った城島をトラッキーと共に迎える

 【阪神7―3横浜】阪神のクレイグ・ブラゼル内野手(30)が11日、横浜戦の2回に先制ソロを放ち、両リーグ30号一番乗り。主砲の一発に城島健司捕手(34)も2者連続となる15号ソロで応え、チームに勢いを付けた。この2発に導かれ、12安打7得点で快勝。11試合連続2ケタ被安打で4連敗と失速した首位・巨人とのゲーム差を0・5まで縮め、あす13日からの首位攻防3連戦(甲子園)を迎えることになった。

【試合結果


 歓喜で揺れる猛虎ファンに、その言葉では物足りなかった。でも、その打球で沸かせた。巨人に肉薄してのお立ち台。優等生発言ばかりのブラゼルだったが、驚弾で甲子園を酔わせていた。
 「あれだけの風だったから。アウトだと思って下を向いたんだ。ラッキーだったと思うよ」
 幸運では決して生まれない一撃は2回1死からだ。横浜・大家の139キロカットボール。高々と上がった打球は強烈な浜風に押し戻されて当然だったが、なかなか落ちてこない。ブラゼルが顔を上げると、ボールは右中間席に弾んでいた。

 先制の30号。入るはずのない一発は大家にショックを与え、城島も15号ソロで続いた。謙虚な助っ人は「チームに貢献できてよかった」と話しただけだが、ここ2試合はボール球に手を出して苦しんだ。まともに攻めてこない相手にしびれを切らし、8打数1安打。そんな中で史上最強の助っ人、バース氏の言葉がきっかけになった。「四球に耐え、精神的に我慢すれば56本も打てる」。強い浜風を切り裂いた驚弾には、ぎりぎりまで引きつけ、ヘッドを利かせる本来の姿があった。
 これで30号に両リーグ一番乗り。阪神では85年のバース以来だが、球宴前の到達は球団史上初めてだ。55発を超えるペースもキープ。そんな数字に「2試合打てなかったからホッとしてる」と話し、7回に加藤の内角球に怒りをあらわにしたシーンにも「あれも野球の一部さ」とかわした。
 そんな助っ人の導きで巨人とは、ついに0・5ゲーム差。13日から甲子園で直接対決を迎える。「この時期にゲーム差は関係ない。1つずつ勝てば首位に立つこともあるかな」。真弓監督もブラゼルのようにどこまでも控えめだった。

 ▼阪神・城島(2回にブラゼルとの連弾となる左越え15号ソロ)風、風。NICE WINDよ。(7回にブラゼルが内角球に激高した際には、ベルト付近を握りしめて止めに入り)ナイス・ストップだったでしょ?相撲は国技ですから。まわしを取って、体を付けて寄るのは基本。

 ≪25年ぶり6度目キングなるか!?≫阪神・ブラゼルが12球団トップの30号。阪神打者の両リーグ30号一番乗りは、74、75年田淵、77年ブリーデン、82年掛布、85年バースに次ぎ25年ぶり6度目となった。また、球宴前の30号は昨年中村(西)以来延べ16人目だが、チームでは初めてだ。なお、これまで、球宴前に30号を記録した延べ15人のうち、11人が本塁打王を獲得。阪神は86年バースを最後に本塁打王がおらず、ロッテ(86年落合)と並び最も同タイトルから遠ざかっているが、久々のキング誕生となるか。

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2010年7月12日のニュース