原監督 “恩師”藤田氏に並ぶ516勝目

[ 2010年6月26日 06:00 ]

<巨・横>8回1死一塁、左越え2ランを放ったラミレス(左)を迎える巨人・原監督

 【巨人3―1横浜】原監督が恩師に並んだ。巨人は25日、同点の8回に4番のアレックス・ラミレス外野手(35)が左翼席へ決勝の23号2ランを放った。原辰徳監督(51)は恩師の故藤田元司氏(享年74)に並ぶ、巨人歴代4位の監督通算516勝目をマーク。くしくも51年前のこの日は天覧試合が行われ、藤田氏が完投勝利を記録。首位を走る原監督にとっては忘れられないメモリアル勝利となった。

【試合結果


 いつものようにベンチ前で選手を出迎えた。ハイタッチを交わす際は「ご苦労さま」と声を掛けた。監督通算516勝目は通過点でしかない。それでも恩師である藤田氏に肩を並べた白星。原監督は慎重に言葉を選びながら喜びを表現した。
 「藤田監督に並んだことに関しては、光栄という軽い言葉では表現したくないぐらいの偉大な数字。逆に身が引き締まる思いを感じています」
 坂本の先頭弾で先制しながら2回以降は走者を出しながら得点が奪えない苦しい展開。同点の8回1死一塁でラミレスが左翼に決勝2ランを運び、原監督に記念の白星をプレゼントした。これで打線は3試合連続で本塁打以外の適時打がないが、リーグ戦再開から7戦5発の主砲は「勝ちに貢献できてうれしい」と満足顔。今季最多タイの貯金15となった指揮官は「ワンチャンスを一振りでものにしてくれた」と賛辞を惜しまなかった。
 80年のドラフトでクジを引いてもらい、他界する06年まで続いた藤田氏との師弟関係。胸に刻んでいる言葉がある。初めて監督に就任した02年。開幕前に恩師から「凡ミスをした選手はみんなの前で怒れ。同じぐらい褒めることも忘れるな」と言われた。今季、原監督はピンチや好投している投手を交代させる場面で頻繁にマウンドに足を運んでいる。この日も8回途中まで1失点のゴンザレスを降板させる際にマウンドで「ナイスピッチング!」と声を掛けた。選手への気配りと同時にチームを鼓舞する行動。親心にあふれ、厳しくも優しかった恩師の背中を今も追っている。51年前のこの日は天覧試合で藤田氏が完投勝利を記録した日でもあった。
 会見の最後に原監督は「くしくも3―1ということで、サッカーファンと巨人ファンは気持ち良く眠れますね」とサッカー日本代表と絡めて試合を総括した。リップサービスも含めて名実ともに名将への階段を上っている。

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2010年6月26日のニュース