3年目の進化…黒田3勝目、チーム3冠だ!

[ 2010年5月4日 06:00 ]

<ドジャース・パイレーツ>七回表を投げ終え、ベンチ前で好手したナインをハイタッチで迎える黒田

 【ドジャース9―3パイレーツ】ドジャースの黒田博樹投手(35)が2日(日本時間3日)、パイレーツ戦でメジャー通算20勝目となる今季3勝目を挙げた。メジャー初対戦となったパ軍の岩村明憲内野手(31)を3打数無安打に封じるなど、8回を5安打1失点。余力を残した96球で、ド軍を今季初の3連勝に導いた。黒田は勝利数、防御率、投球回でチームトップとなった。

【試合結果


 完投だってできた。8回96球。余力を十分に残して、黒田がマウンドを譲った。
 「彼は雰囲気があるし、いい打者。日本でもよく打たれていた(対戦打率・293)し、一発もあるので警戒していた。彼を抑えられたことが大きかった」
 彼とは…。パ軍に新加入した2番・岩村だった。メジャー初対決となった初回。初球に内角低めにスライダーを投じると、続く2球目は「バックドア」と呼ばれるアウトローから巻き込むようなスライダーで二飛に打ち取った。3回2死二塁では「当然勝負したかったけど、無理して適時打になって展開がおかしくなるよりも…」と闘争心を抑えて四球で歩かせた。第3打席は中直。そして8回2死二塁では外角スライダーの後、内角高めに94マイル(約151キロ)のツーシームで揺さぶり二ゴロに仕留めた。
 この日は最速96マイル(約155キロ)のツーシームとスライダーに徹底的にこだわった。全96球中、93球がこの2球種。なかでもスライダーを41球も投じたのは初めてのことだ。岩村にも4打席計12球のうち8球がスライダー。日本時代から「直球とフォーク」というイメージを抱いていた岩村を完全に幻惑させた。黒田は「(パ軍に)直球狙いの打者が多かったのと自分のスライダーの状態が良かったから。捕手のマーティンが試合前に受けた感覚で配球してくれた」と話した。
 2種類の球種だけでも抑えられる理由には、キャンプ期間中に取り組んだフォーム改造がある。昨季まで遊ばせていたグラブを左脇に抱えるように変え「右腕が前でしっかり振れるようになった。球持ちがよくなって、打者の手元で変化をする。だからボール球でも振ってくれるんです」と明かした。
 トーリ監督は「8回まで投げたのは、われわれが必要としていた以上のこと」と目を細めた。メジャー20勝目は3年目の進化がはっきり表れた投球内容だった。

 ≪日本人に強いんです≫黒田はメジャーで6人の日本人野手と対戦し、計19打数2安打で打点、本塁打ともに0とほぼ完ぺきに封じている。日本時代(99~06年)の対岩村は、通算92打数27安打、打率・293、2本塁打、10打点。6月にはエンゼルスと6試合の対戦が組まれており、同学年の松井秀とのメジャー初対決が実現しそうだ。

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2010年5月4日のニュース