土本“上原2世”だ!亀井も脱帽「化けるかも」

[ 2010年2月9日 06:00 ]

フリー打撃に登板し好投した土本

 大器の片りんを見せつけた。巨人のドラフト3位ルーキー・土本が8日、宮崎キャンプで初めてフリー打撃に打撃投手として登板。主力野手を相手に堂々の投球を披露した。

 亀井に対する9球目。土本から投じられたフォークに亀井は体勢を崩された。二ゴロ。10球目は見逃しストライクを奪い、16球目も二ゴロに抑えた。17球目から20球目はすべて直球で4球連続ファウル。対戦を終えた右腕は新人らしく帽子を取り、深々と一礼した。
 「まだ、ばらつきはあるけど感じはよかった。フォークは空振りを取るフォークを投げました」
 最初に対戦した脇谷にはすべて直球で26球。フォームを確認しながらコースを投げ分けるなど安定した内容だった。亀井には20球で安打性の打球は真ん中の直球を右翼席に運ばれた1本のみ。投球前に球種を宣言した上で、伸びのある直球とフォークで昨年のWBC日本代表選手を圧倒した。
 1日のキャンプインから連日、ブルペンで投球練習。4日には捕手を務めた阿部からフォークを絶賛され「(中日の)浅尾みたいになれる力がある」と評された。この日、ケージ裏で見守った原監督は「戦えるものを持ってる。1軍で中継ぎ?可能性は十分にある」と高く評価。対戦した亀井は「球に切れがあり、化ける可能性もある」と潜在能力の高さも認めた。
 昨年、上手投げからスリークオーター気味にフォームを変更。ひじの位置を下げて制球力は高まり、同時に「10球に1球ぐらいフォークがスライダーの軌道を描くようになった」という。現在は練習する余裕はないが「将来的に投げ分けができれば。(オリオールズの)上原さんも投げ分けているという話を聞いたことがあるので」。目標は背番号19の先輩でもある上原。14日の紅白戦の実戦デビューに向け、即戦力右腕はつめを研ぐ。

 <他球団スコアラーも警戒>土本の投球に対して他球団のスコアラーからも称賛の声が飛んだ。中日の筒井スコアラーは「テークバックが小さくてフォームは浅尾に近い。浅尾の1年目と比べても近いものがある。直球と同じ腕の振りで、フォークのレベルも高い」と絶賛。横浜の川村スコアラーは「社会人で場数も踏んでいるだろうし、腕も振れてる。実戦でどうかにも注目していきたい」と警戒を強めていた。

 ▼巨人・斎藤投手コーチ ブルペンでもいい球を投げていた。実戦向きな感じはする。あとは変化球の精度を上げること。
 ▼巨人・川口臨時投手コーチ 球の出どころが見にくく、いい投手。フォークも落ちてた。1年目は他球団に対戦データがない。潜在能力は高いので結果を残すかもしれない。

 ◆土本 恭平(つちもと・きょうへい)1985年(昭60)10月13日、岐阜県生まれの24歳。土岐商入学後に本格的に投手となり03年夏の岐阜県大会4強進出。専大では4年春に1部で3勝をマーク。JR東海では主に抑えとして活躍し、昨年の都市対抗に三菱自動車岡崎の補強選手として出場した。1メートル75、73キロ。右投げ右打ち。

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2010年2月9日のニュース