中田300万円ダウン それでも二岡に挑戦状

[ 2008年11月19日 06:00 ]

練習でボールの感触を確かめる日本ハム・中田

 日本ハム・中田翔内野手(19)が18日、鎌ケ谷の選手寮「勇翔寮」で初めての契約更改交渉に臨み、20%ダウンの1200万円で一発サインした。怪物ルーキーと騒がれながら、左手首骨折などもあって今季は1軍昇格なし。三塁の定位置獲りを目指す2年目の来季も巨人から二岡知宏内野手(32)が移籍するなど、厳しい戦いとなるが、自信満々の“怪物くん”は会見で実績十分のライバルへ真っ向勝負を挑む決意を語った。

 日焼けした顔に黒いスーツ。契約更改交渉を15分で終えた中田は闘志を内に秘めた表情で、テレビカメラ4台、報道陣30人が待ち構える会見場に現れた。
 「1200万円でした。(はんこを)パンパンです。目の前でクビになる人もたくさん見たし、もっと落ちるかと思った」。金額はいくらでもよかった。頭には来季の1軍昇格と三塁のレギュラー獲りしかなかった。
 壁は今季よりもさらに高くなる。通算157発の二岡が巨人からトレードで加入。本職は遊撃手だが、梨田監督には左ふくらはぎ肉離れなど、下半身に不安のあるスラッガーを三塁で起用する考えがある。
 中田にとっては“打倒・二岡”は避けて通れない道なのだ。「二岡さんは巨人で結果を残しているし、普通に考えて球団はそっちを使う。でも2軍で教えてもらったことを無駄にしたくない。自分の力をすべて出せれば大丈夫」。沖縄の秋季キャンプでは計5000本のノックを受け、課題の守備も向上。高校時代に推定170メートル弾を放ったパワーではひけを取ることはない。
 もちろん、ライバルは1人ではない。「“二岡さんに負けない”という前に、小谷野さんに追いつくことも大事。2軍の試合はもういいです」。今後は12月20日まで鎌ケ谷で自主練習し、年末年始は実家のある広島市内の球場を1人で借り切ってトレーニングする。「人がいるとおしゃべりしてしまうので…」。来年4月で20歳。少し大人になった怪物くんの決意は本物だ。

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2008年11月19日のニュース