ダル 中1日中継ぎ完封リレー

[ 2008年10月2日 06:00 ]

 【日本ハム17―0楽天】場内アナウンスのコールにスタンドがどよめいた。16点リードの7回、マウンドに上がったのは29日のロッテ戦で完投したばかりの日本ハムのエース・ダルビッシュだ。

 「首脳陣に200イニングを考慮していただいた。中継ぎは北京で経験したからすんなりと入れた。まさか満塁になるとは思わなかったけど抑えられてよかった」
 2年ぶりの救援登板。2イニング目の8回に2死満塁のピンチをつくったが最後は高須を空振り三振に仕留めて得点は許さなかった。異例の中1日登板。この試合までの投球回数は198回2/3、1回1/3を投げれば沢村賞の基準の1つでもある200投球回をクリアできるとあって吉井投手コーチは「記録は後に残るもの。チャンスの時は獲らせてあげないとね」とマウンドへ送り出した。
 これで沢村賞の基準となる7項目はすべてクリア。金田(国鉄)ら過去4人しかいない2年連続受賞の快挙に一歩近づいた。ライバルは20勝の岩隈だが「五輪で1カ月抜けての200イニングはあり得ないこと。これで逃したらヤバイ。待つしかないんですけどね」とアピールも忘れない。チームは今季最終戦で念願のCS切符をゲット。ダルビッシュ自身、個人記録にこだわったのはこの一瞬だけだ。すぐさま「オリックスにどう勝つかを考えないと」と10日後に迫ったオリックスとのCSに視線を向けた。
 3日からはCSに向けた練習が始まる。梨田監督は「こんなに地力があるのか。信じられない。今年は下から頂点を目指す」と誓った。目指すは2年ぶりの日本一奪回。絶対的なエース・ダルビッシュがオリックス、そして西武の前に立ちはだかるつもりだ。

 ◆沢村栄治賞 不世出の大投手・沢村栄治(巨人)の栄誉を称えて1947年制定された先発完投型の投手を対象にしたタイトル。15勝、登板25試合、10完投、防御率2・50、投球回数200回、奪三振150、勝率6割などをクリアした投手を対象に選考委員会が選出する。

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2008年10月2日のニュース