高卒新人生き残った!佐藤祥万好投

[ 2008年3月15日 06:00 ]

<横浜・日本ハム>力投する横浜の高卒ルーキー佐藤

 【横浜8-8日本ハム】横浜の高校生ドラフト4巡目左腕・佐藤祥万投手(18)=文星芸大付=が14日、日本ハムとのオープン戦(横浜)に2番手で登板し、1回2/3を1安打1失点と好投した。キャンプから話題を振りまいた日本ハム・中田、ヤクルト・由規らはすでに2軍降格しており、今年の高校出新人では唯一の生き残り。首脳陣の評価も高く、横浜では89年の石井忠徳投手(現石井琢朗内野手)以来19年ぶりの高校出新人の開幕1軍が見えてきた。

 堂々としたマウンドさばきだった。5回。佐藤は落差たっぷりのカーブで坪井を泳がせると、投前のゴロを素早く処理。一塁に矢のような送球でアウトにした。さらに糸井を同じカーブで一ゴロ、森本を139キロ直球で遊直で三者凡退。続く6回には稲葉に被弾したものの、開幕直前でベストメンバーの2連覇チームを相手に「緊張せずにいつも通り投げられた」と手応えを口にした。

 1メートル72と小柄だが、小さいテークバックから腕が鋭く振られる。球に切れがあり、出どころも見づらい。打った稲葉が「将来良いピッチャーになる」と絶賛するほどだ。そんな実力派ルーキーはキャンプ終盤の2月21日に1軍合流。3月1日の卒業式にも出席せずにアピールを続けた。まだあどけなさが残る18歳。三浦ら先輩たちに食事に誘われるなどかわいがられ、投球から調整面など多くを吸収。工藤には武器にするカーブの投げ方を教わるだけでなく、食生活の指導も受けて、好きなスナック菓子をやめるなど体調管理にも気を配っている。

 オープン戦3試合目の投球に「スピード(141キロ)が増しているし、思い切って勝負していて好感が持てる」と大矢監督。吉見らと争う開幕1軍についても「(左の中継ぎとして)評価は高い。何とか頑張らせたい」と話し、高卒新人では89年の石井以来19年ぶりとなる開幕1軍切符をつかむ可能性も出てきた。

 由規と中田の2軍降格について佐藤は「即戦力とか言われていたけど、そういうやつも2軍に落ちる。厳しいですね」と感想。自分もいつ落とされるか分からない。だからこう言った。「開幕のことは考えずに自分の力を思い切りだすだけです」。1軍に残った最後の高卒ルーキー。ハマのショーマがこのまま開幕まで突っ走る。

続きを表示

2008年3月15日のニュース