高難度決めた!寺本明日香「楽しく、笑顔で」逆転リオへ
体操NHK杯第1日
(5月4日 東京・国立代々木競技場)
リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねて行われ、女子は寺本明日香(20=中京大)が4月の全日本選手権の持ち点と合わせ合計115・050点で、3年ぶり2度目の優勝を果たした。2位の村上茉愛(まい、19=日体大)、3位の杉原愛子(16=朝日生命)までがリオ五輪代表候補に。最終的に7人の候補から7月に5人の代表を選ぶが、今大会上位3人はチームの中心として代表入りが確実になった。
小さな体で大きな優勝トロフィーを抱え、寺本が歓喜に浸った。ミスのない安定した演技を披露し、全日本の持ち点で0・3点のリードを許していた村上を逆転。3年ぶりのNHK杯制覇で12年ロンドンに続く2大会連続の五輪切符を確実にした20歳は、「自分の演技を楽しくやろうと思って、それが結果につながってうれしい。緊張せずに丁寧にやれた」と充実の4種目を振り返った。
タイトルへの意識を捨て、タイトルを手に入れた。2位だった全日本後、勝つことを常に意識し、練習でも完璧を求めすぎた。「着地が動いたりミスしたりすると、凄くイライラした」。練習が嫌になり、そして思った。「体操が好きでやってきている。好きな気持ちは忘れないようにしよう」。失敗する自分を受け入れて、前に進む。「楽しく、笑顔で」を今大会のテーマに掲げた。
3種目目の平均台。フィニッシュは高難度の後方伸身3回ひねりだ。「やっぱりズバぬけた技が欲しいので。今日(4日)は見せつけた」。同種目だけでなく、跳馬でも24選手中トップの得点をマーク。正式な代表決定は7月だが、「チームの中心となる3人が3位までに入った」と日本協会の塚原千恵子・女子強化本部長は話し、寺本のリオ代表入りは確実だ。
4年前は体操日本女子では最年少の16歳。1メートル36、30キロはロンドン五輪に出場した他国を含む全選手中で最小&最軽量だった。「一番小さくて軽かったことは覚えています」。今は1メートル42、37キロ。「4年前と違って一番年上になるかもしれないし、まとめていきたい。頑張ればメダルを狙える位置にいると思う」。64年東京での銅メダル以来の団体総合の表彰台へ。サイズだけでなく、存在感を増した新エースが日本女子をけん引する。
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