マクラーレン ブーリエ・レーシングディレクターを事実上の更迭

[ 2018年7月4日 21:20 ]

辞任したエリック・ブーリエ(左)とザク・ブラウンCEO(ゲッティ)
Photo By ゲッティ イメージズ

 自動車のF1シリーズに参戦しているマクラーレンは4日、レーシングディレクターを務めていたエリック・ブーリエが辞任したことを発表した。パフォーマンスディレクターに任命されたアンドレア・ステラが、レーシングディレクターと同じくレースにおけるオペレーションの責任者となる。

 ザク・ブラウンCEOは今季の不振は体系的、構造的なものとして、内部からの大きな変革に着手したと説明。サイモン・ロバーツが製造、エンジニアリングなどを監督し、アンドレア・ステラがレース現場で指揮を執る。また、元CARTチャンピオンのジル・ド・フェランがスポーティングディレクターとして、レースにおいてチームをサポートすることも発表された。

 エリック・ブーリエは14年にロータスからマクラーレンに加入。15年からのホンダとのパートナーシップでは結果を出せず、今季からルノーのパワーユニット(PU)へ乗り換えた。しかし、PUをルノーに変更すれば、レッドブルにも対抗できるマシンだと豪語していたが、今季は開幕2連戦でダブル入賞を果たすも、成績は徐々に下降。フランスGPでは予選でQ1を突破できず、ブーリエら首脳陣へ一部スタッフの不満が報じられるなど、危機的な状況が話題となった。

 名門を応援するファンからも「ホンダが問題だったはずだが…」や、同じルノーPUを搭載するレッドブル(今季3勝)とのパフォーマンス差に「過去三年の酷かったパフォーマンスがホンダだけのせいではなかった事を示している」との声が多数を占めた。特にホンダからのPU変更を強く望んでいたブーリエ、ザク・ブラウンCEOに対しては、批判が集中していた。

 ブーリエは「過去4年間にわたり、この輝かしいチームと仕事ができたことをとても誇りに思う。しかし、私は今が退くには適切な時期だと認識している。残りのシーズンと、今後のマクラーレンの全員の活躍を祈っている」とコメント。

 ザク・ブラウンCEOは「(チーム不振の)原因は体系的、構造的なもので、内部からの大きな変化が必要です。今日の発表ではこれらの問題に取り組み、回復への道のりの第一歩を踏み出します。マクラーレンに貢献してくれたエリックには感謝し、彼の将来がうまくいくことを願っています」と語った。

 F1次戦は第10戦イギリスGPで6日に開幕。予選は7日22時(日本時間)から、決勝は8日(同)22時10分にスタートする。

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