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那須川天心VS井上拓真 内山高志氏、浜田剛史氏、武居由樹ら新旧世界王者の展望は…

[ 2025年11月23日 05:00 ]

WBC世界バンタム級王座決定戦   同級1位・那須川天心(帝拳)<12回戦>同級2位・井上拓真(大橋) ( 2025年11月24日    トヨタアリーナ東京 )

フォトセッションに臨む那須川(左)と井上拓(撮影・島崎忠彦)
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 那須川天心井上拓真の王座決定戦は24日にゴングが鳴る。注目の一戦を新旧世界王者はどのように見ているのか。帝拳ジムの浜田剛史代表(64)、元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志氏(46)、両者と同階級を主戦場とする前WBO世界バンタム級王者・武居由樹(29=大橋)が勝敗を予想し、展望を語った。(聞き手・鈴木誠治、伊東慶久)

 ≪内山高志氏≫序盤は天心がスピードを生かしてポイントを取って、中盤から相手の動きに慣れた拓真が巻き返す展開となりそう。本当に予想は難しいが1、2点差くらいの僅差で拓真の判定勝ちになるのではないか。

 拓真はKO率は低いがパンチ力はある。打たれ強さもあるので、そこを生かしてじわじわ攻めれば天心もだんだん嫌がるはず。見合ってボクシングをしたら、分があるのは天心。拓真はガンガン前に出て距離をつぶして、相手を下がらせて焦らせることができるかが鍵となりそう。

 ただ天心のスター性はピカイチ。井上尚弥や村田諒太に匹敵するものを持っている。何より上まで上り詰める雰囲気を持っているし、目に見えないものを動かせる“勢い”もある。会場の雰囲気を味方につけた場合は天心の圧勝もあり得る。拓真は前回、堤との激戦(0―3判定負け)でひと皮むけた部分もあると思う。ああいう経験があったからこそ、また強くなった姿が見られると思う。元世界王者としての意地や根性を見せてほしい。

 ≪浜田剛史氏≫キックボクシングからの転向選手にとっては、相手の土俵で戦うのだから、経験値の不利は否めない。その上で、一般的にキックからの転向選手の特徴に挙げられるのは、以下の3つだろう。

 (1)構えがアップライトになる(2)相手との距離が遠い(3)リズム感が違う――。この特徴は、近い距離での攻防で2つの傾向が出る。防御が甘くなることと、ショートパンチでの攻撃が苦手なことだ。ただ、(2)は長いパンチを打てる、(3)はボクサーが経験したことがないリズムに引きずり込める、という長所もある。キック出身選手はボクシングに対応でき、その上でこの長所を生かせれば、キック経験をプラスに使える。

 拓真は経験値と技術の引き出しで上回る。ただ、那須川は15歳から帝拳でボクシングを練習し、パンチをよける、タイミングよくパンチを当てるセンスは当時から抜群だった。一般的なキックボクサーほど不利はない。

 試合は技術戦が予想される。判定を想定し、ラウンドごとに有効打を当てて明確にポイントを取ることが重要だ。那須川は変幻自在の動きで序盤にペースを握れば、押し切る可能性がある。拓真は那須川ペースにさせないように先手を取ることが大事だ。KO決着があるとすれば、終盤だろう。

 ≪武居由樹≫予想は、拓真さんの判定勝ちか、終盤でのストップ(TKO勝利)。同じジムだからという忖度(そんたく)はなしで(笑い)。フラットに見てもボクシング技術やスピード、経験値の差はあると思う。

 天心君と自分は同じキックボクサー出身だが真逆のスタイル。自分はキック時代の距離感やリズム感をそのままボクシングに持ち込んだが、天心君は試合ごとにきれいなボクシングになっている。信じられない成長速度で本当に凄いと思うが、良くも悪くも“ザ・ボクサー”になった。それは拓真さんにとってはやりやすい相手になるということ。逆に怖いのが変則的なスタイルで来られた時かな。

 自分が世界初挑戦した昨年5月のモロニー戦は東京ドームということもあり、独特の空気感やプレッシャーを感じた。ただ開き直って楽しんで戦うことはできた。天心君も自分と同じ考えで臨むと思う。会場を味方にしながら、天心君がつくる“世界”や“空気感”にのまれなければ、拓真さんの勝利で間違いないでしょう。

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