エルナンデス・トレーナー モロニーの実力認めるも…中谷の「適応能力が勝利につながる」
プロボクシングWBO世界スーパーフライ級王座決定戦の計量が19日(日本時間20日)、米ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで行われ、同級1位の中谷潤人(25=M・T)は114.6ポンド(約51.98キロ)、同級2位のアンドルー・モロニー(32=オーストラリア)は114.5ポンド(約51.93キロ)でパスした。タイトル戦は予定通り、20日(日本時間21日)に行われる。公開計量終了後、中谷が中学卒業後から師事するルディ・エルナンデス・トレーナーがスポニチの独占取材に応えた。
ロサンゼルスに本拠地を置き、畑山隆則、伊藤雅雪など多くの日本人ボクサーも手掛けた名将エルナンデスも、教え子が大舞台で迎える世界タイトル戦に大きな期待を寄せているようだった。
エルナンデスとの一問一答は以下の通り。
――20日のモロニー戦は中谷にとってどんな試合になると思うか?
「とても難しい戦いになると考えている。複雑な試合になるだろう。ただ、潤人の適応能力が勝利につながると思う」
――難しい戦いになると感じている理由は?
「モロニーは強い意志を持った好選手だ。1週間前に王者になった双子の兄同様、自分もチャンピオンになると決意している。それは強力なモチベーションだ。すべてをかけて今戦に臨み、100%の力を出してくる。そんな相手だから容易な試合にはならないが、それでも潤人が勝つために必要なものを備えていると私は信じている」
――大舞台での試合。KO決着を望んでいるか。
「いい内容の試合を見せたい。判定だったとしても、ファンこそが勝者だと感じられるような好ファイトになって欲しい。疑いのない勝ち方をすることも重要だ。それらができれば、人々は潤人の名前を記憶し、今後も盛んに取り上げられるようになるはずだ」
――中谷選手は階級を上げるにつれて力強さを増すタイプの選手だと思うか?
「25歳になり、大人のボクサーらしい力強さを身につけてきた。だいたい27歳くらいで彼のピークの力が拝めるのではないか。スーパーフライ級にそれほど長くとどまることになるとは考えておらず、(ピークを迎える頃には)バンタム級で戦っているかもしれない。バンタム級、スーパーバンタム級あたりで最高の力を発揮することになると思う」
――どのあたりまで階級を上げられると思うか。
「最終的にはフェザー級までいけるだろう。潤人はそれだけの身長、機動力、ムーブメント、ボクシングIQを持っている。練習熱心な選手だから、さらに向上していくはずだ。彼は成功に向けた強い意志を持っている。頭にあるのは世界王者になることだけで、他のことに興味はない。私のところに合宿する若いボクサーたちはいろいろなところに外出したがるが、潤人はボクシングだけに集中し、遊びに同行することはない。だからこそ、こうして2度目の世界王座に辿り着ける位置までこれたんだ」
――一部の米メディアからは、将来的に井上尚弥対中谷潤人戦の実現を希望する声も出ている。可能だと思うか。
「中谷対井上尚弥?もちろん可能だ!戦うのは私ではなく潤人だからね(笑)。5、6年後、井上が年齢を重ねた頃に潤人が対戦するのもいいかもしれない。ここで1つ言っておきたいのは、私の意見では井上こそが世界最高のボクサーだということだ。パウンド・フォー・パウンドでもNo.1と評価されてしかるべき。テレンス・クロフォードやエロール・スペンス Jr.の名前を挙げる人は、井上のことをわかっていない。井上は挑戦を続け、だからこそ彼がNo.1だ。井上がリーダーで、他の選手たちは彼の背中を追いかけているんだ」
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