スティーブンソンとWBCライト級挑戦者決定戦の吉野修一郎が意気込み「心を折りにいく」
プロボクシングのWBOアジア・パシフィック&東洋太平洋ライト級2冠王者・吉野修一郎(31=三迫)が7日、都内の所属ジムで会見を開き、元世界2階級制覇王者シャクール・スティーブンソン(25=米国)との対戦が決まったWBC世界ライト級挑戦者決定戦12回戦(4月8日、米ニュージャージー州ニューアーク)へ意気込みを語った。WBC同級5位で16戦全勝(12KO)の吉野は「ずっと米国で試合をしたいと思っていた。ようやくできるのでうれしい」と笑顔で心境を口にした、19戦全勝(9KO)の同級3位スティーブンソンについて「2階級制覇している世界王者で五輪でもメダリスト。本当に強くてリスペクトしている。サウスポーでスピードもあって手数も出てくる選手」と評した。
ライト級はデビン・ヘイニー(24=米国)が世界4団体統一王者で、5月に元世界3階級制覇ワシル・ロマチェンコ(34=ウクライナ)戦が見込まれ、スティーブンソンに勝てばヘイニー―ロマチェンコの勝者への指名挑戦者となる。“ネクスト・メイウェザー”と呼ばれるスティーブンソンとの挑戦者決定戦を上位ランカーがことごとく断る中、12月に対戦を打診されたという吉野は「即決でした。米国進出が希望でしたし、ライト級の上位は化け物ぞろいなので、そこに勝たないと世界王者にはなれないのでチャンスと思った」と明かし、「勝てば世界タイトルに王手になる。ここをしっかり頑張りたい」と必勝を期した。
ライト級転向初戦のスティーブンソンに対し、元々ウエルター級だった吉野は「体格やパワーでは勝ると思う。向こうでの知名度もなく、なめてかかってくると思うのでいけると思っている」と話した。海外での試合は初めてで、相手の地元ニューアークは完全アウェーとなるが、「楽しみですね。言葉も分からないが、逆に声援とポジティブに考えれば」と前向きな一方、「どアウェーなので正直、判定では厳しいと思う。TKOかKOで勝つしかない」と倒しに行く姿勢を強調した。プロでサウスポーとの対戦も初めてだが、三迫ジムの椎野大輝トレーナーは「吉野は底を見せていない。みんなオーソドックス相手の吉野しか見たことがないと思う。基本的には吉野のボクシングをするが、プラスアルファでサウスポー対策をする」と自信をのぞかせ、吉野も「打たれても打ち返し、心を折りにいくボクシングをしたら嫌がるのでは。日本には吉野がいると向こうで思わせたい」と意気込んだ。
既に2月2~5日に千葉県鴨川市で走り込み合宿を行い、スタミナやメンタル面を強化。3月29日に渡米し、19年にスパーリング合宿を行った経験があるロサンゼルスでメディカルチェックを兼ねて調整したあと、4月3日にニューアーク入りする。入場曲はウルフルズの「ガッツだぜ!!」を「気合が入るので(会場で)流したい。現地のファンは)何だこれ?と思うのでは」と笑った。
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