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ウシク 防衛で母国ウクライナに勇気 ゼレンスキー大統領も「コサックの象徴」

[ 2022年8月22日 05:00 ]

WBAスーパー&IBF&WBO統一世界ヘビー級タイトルマッチ12回戦 ( 2022年8月20日    サウジアラビア・ジッダ )

ヘビー級王座防衛を果たし、ウクライナの旗を掲げるウシク(AP)
Photo By AP

 3団体統一世界ヘビー級王者オレクサンドル・ウシク(35=ウクライナ)が前王者アンソニー・ジョシュア(32=英国)との再戦に116―112、115―113、113―115の2―1で判定勝ちし、3王座の初防衛に成功。戦時下の母国ウクライナに朗報を届け「我が国、家族、国を守る全ての兵士たちにこの勝利をささげる」と胸を張った。

 2月にロシアの侵攻が始まると「ベルトよりも国と名誉が大事」と練習拠点の英国から帰国。陥落の危機にあった首都キーウで領土防衛隊に入り、市内警備などに従事した。だが、病院で負傷兵に「俺たちが戦うから」と促されてリング復帰を決意。兵士たちから届くメッセージに励まされ、兵役で約5キロやせた体を鍛え直した。

 ウクライナのゼレンスキー大統領はツイッターで「決して諦めないコサック(ウクライナなどで活動した騎兵集団)の象徴」と英雄を称賛。ウシクは「フューリーと戦えなければもう戦わない」とWBC王者タイソン・フューリー(英国)との4団体王座統一戦を最終目標に掲げた。

 ◇オレクサンドル・ウシク 1987年1月17日生まれ、クリミア半島シンフェロポリ出身の35歳。12年ロンドン五輪ヘビー級金メダリスト。13年11月プロデビュー。16年9月にWBO世界クルーザー級王座を獲得し、18年7月に4団体王座統一。昨年9月に3団体統一ヘビー級王者ジョシュアに判定勝ちして2階級制覇。6月に井上尚弥(大橋)に抜かれるまで米リング誌のパウンド・フォー・パウンド(全階級を通じた最強ランキング)1位だった。1メートル91の左ボクサーファイター。

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2022年8月22日のニュース