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元東洋太平洋2階級制覇王者 佐々木が引退を表明「思うようなボクシングができなかった」

[ 2017年5月6日 20:42 ]

控え室で引退を表明する佐々木基樹                            
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 ボクシングの元東洋太平洋2階級制覇王者で日本ライト級8位の佐々木基樹(41=帝拳)が6日、東京・後楽園ホールで行われた6回戦で15年東日本スーパーフェザー級新人王の石川元希(24=M.T)に0―3で判定負けし、試合後に引退を表明した。ウクライナとメキシコで2度の世界挑戦経験を持つ佐々木はプロ通算54戦42勝(26KO)11敗1分け。

 身長、リーチとも自身より勝るサウスポーの石川に対し、佐々木は低い体勢から飛び込んでの右や、死角から打つボディーなどで対抗。しかし、石川の左を再三顔面に浴び、クリンチからの打ち合いでも優位に立てなかった。ジャッジの採点は58―57、58―56、59―55で、いずれも石川の支持だった。

 リングから下りる際に一礼した佐々木は控え室で「思うようなボクシングができなかった。距離を潰そうとしたが、逆に相手の思うようなボクシングをさせてしまった。何も言い訳はないです」と振り返り、「あの左を食っちゃうんだ、俺、という絶望感がある」と苦笑いした。13年5月に一度は引退も、「まだできる」と昨年2月に特例で現役復帰してからは3連勝。スーパーライト級で日本と東洋太平洋、ウエルター級で東洋太平洋王座を獲得しており「やるんだったら腰にベルトを巻かないと」とライト級での“3階級制覇”を目指していた。

 試合後のリング上で、石川から「大ファンでした」と“告白”されたという佐々木は、「どこかで辞め時を探していたのかもしれない。昨年復帰するまでは2年半、練習するだけだったけど、若い時より本当に大変だった」としみじみ話した。負ければ引退と覚悟を決めていただけに「強いのを証明できなければやるべきじゃない。絶対に続けられないし、続ける気はない」と断言。「地球上のいかなる人間も、時の流れには逆らえない。ここまでって感じです」とサバサバと語った。

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2017年5月6日のニュース