琴ノ若、安定の5連勝 大関獲りへ役力士唯一の全勝「慌てないことを考えた」

[ 2024年1月19日 04:30 ]

大相撲初場所5日目 ( 2024年1月18日    東京・両国国技館 )

<大相撲初場所5日目>宇良(右)を攻める琴ノ若(撮影・木村 揚輔)
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 大関獲りに挑む関脇・琴ノ若が小結・宇良を退けて初日から5連勝と星を伸ばした。大関・豊昇龍は豪ノ山の出足に屈して初黒星。序盤戦を終えて全勝は琴ノ若と平幕・朝乃山の2人だけとなった。横綱・照ノ富士は危なげない相撲で1敗を守って4勝目。綱獲りに挑む大関・霧島は辛くも勝って連敗を逃れた。

 落ち着き払った取り口に、早くも風格が漂っていた。琴ノ若は、先場所土俵際の逆転で敗れていた宇良の素早い動きにも冷静に対処。腕を手繰られても押し込まれても「慌てないことを考えた」と動じずに右上手をつかんで出し投げから送り出し、役力士で唯一の5戦全勝とした。

 直近2場所合計20勝を挙げており、今場所は大関昇進が懸かる。綱獲りの霧島とともに同時昇進なるかと場所前から大きな期待を背負うが、緊張で硬くなることはない。「声援に応えられるようにやっていくことが大事。それが力になる」。元横綱・琴桜の孫、元関脇・琴ノ若(現・佐渡ケ嶽親方)の長男として入門前から注目され続けてきた26歳にとって、重圧は苦ではないようだ。

 大関昇進目安の3場所合計33勝に到達するには、今場所13勝が必要となる。三役で6場所連続勝ち越している安定感を加味すれば星数はその限りではないが、課されたハードルは高い。その中で「やってきたことを信じてやるしかない」と無心で挑む心構えを示した。先場所は終盤まで優勝争いに絡んだが、惜しくも届かず。もう勝ち越しや2桁勝利だけではなく「優勝じゃないと満足できない」と目指すステージは上がってきた。大関に昇進すれば祖父の名・琴桜を襲名する予定となっているため「このしこ名で優勝することが師匠への恩返し」と賜杯への思いは強い。「琴ノ若」として臨む最後の場所になることを、師匠も本人も望んでいる。

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