虎の指揮官、岡田先輩やりましたよ!! 関大北陽が創部11年目で花園切符つかんだ

[ 2023年11月13日 06:00 ]

全国高校ラグビー大阪第1地区決勝   関大北陽41―7大産大付 ( 2023年11月12日    花園ラグビー場 )

初の全国大会出場を決めて笑顔の関大北陽フィフティーン(撮影・北條 貴史)
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 岡田先輩やりました!全国高校ラグビー大会の地区予選決勝が12日、各地で行われた。花園ラグビー場で開催された大阪第1地区決勝は創部11年目の関大北陽が41―7で大産大付を破り、悲願の花園初出場を決めた。全国屈指の激戦区、大阪から初出場校が誕生するのは、03年度の大阪朝鮮高以来20大会ぶり。決勝6度目の挑戦でついに壁を破った。第2地区は大阪桐蔭が3大会連続17度目、第3地区は東海大大阪仰星が5大会連続23度目の出場を決めた。

 立ちはだかってきた高い壁を乗り越え、関大北陽フィフティーンが歓喜した。決勝に進んだのは今回が6度目。今の3年生は過去2年、いずれも決勝で涙する先輩たちを見てきた。何度も挑戦を重ね、ようやくつかんだ初めての花園切符。梶村真也監督は「本当にうれしい。生徒たちが頑張って達成してくれた」と感極まった。
 ともに初出場が懸かった大産大付との一戦。前半11分にラインアウトからモールを組み、最後はロック安田が先制トライを奪った。きっ抗した戦いが続く中でも、選手たちはハーフタイムに「楽しんでやろう」と声を掛け合った。後半1分にSO羽根田が豪快なランからトライを挙げると、その後は一気にリードを広げた。

 ラグビー部は13年創部。前身の北陽高時代にも部は存在したが、部員数の減少により自然消滅したという。関大北陽中ラグビー部の生徒が高校に進学した13年に部が誕生。東海大仰星(現東海大大阪仰星)の出身でヤマハ発動機(現リーグワン静岡)でプレーした梶村真也監督が指揮を執り、強化してきた。

 花園を本気で目指す中、選手たちも集まってきた。No・8永井主将は高校進学の際に花園常連校からも誘いを受けたが「大阪の歴史を変えたい」と決意。兄・玲慈さんが通った関大北陽への進学を選んだ。この日先発した15人中7人が関大北陽中の出身だ。3枠ある切符は近年、東海大大阪仰星と大阪桐蔭、常翔学園、大阪朝鮮高の4校に独占されてきたが、屈指の激戦区大阪でついに風穴を開けた。

 同校の野球部は春夏の甲子園大会に計14度出場を誇り、OBにはプロ野球・阪神タイガースを率いる岡田彰布監督がいる。ラグビー部には阪神ファンが多く、永井主将もその一人だ。「日本シリーズは7戦目までいって、本当に面白かった」と屈託なく笑った。花園の目標はベスト8以上。阪神を38年ぶりに日本一へ導いた大先輩に負けじと、全国でも旋風を巻き起こす。 (西海 康平)

 ▽大阪から初出場は20大会ぶり 2009年度以降、大阪から冬の花園大会に出場した学校は常翔学園、東海大大阪仰星、大阪桐蔭、大阪朝鮮高のみ。14年間、この4校が3枠ある大阪代表の座を分け合ってきた。大阪から花園初出場校が誕生したのは、03年度の大阪朝鮮高以来。

 ▼阪神岡田監督 (関大北陽が花園初出場を決めたと知らされ)ああ、そう。いずれ勝つと思とったよ。ラグビーは、サッカーとグラウンド半分半分で練習しとるよ。そら見とったよ。去年まで、いつも同窓会の集まりがあった時にな。

 ▽関大北陽 1925年に北陽商業学校として発足。49年に北陽高等学校と改称、普通科と商業科設置。2008年に関大の併設校となり、校名を関大北陽高等学校に変更。同時に男子校から男女共学に移行した。10年に関大北陽中学校が開校。ラグビー部は13年創部。現在部員は74人。部活動が盛んで、野球部は春夏の甲子園大会に計14度出場。サッカー部は73年度の全国高校選手権で優勝した。おもなOBは、プロ野球の阪神・岡田彰布監督、芥川賞作家でお笑い芸人の又吉直樹ら。

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