玉井陸斗がぎっくり腰を乗り越えて涙の五輪切符 「腰が痛すぎて」

[ 2023年7月21日 17:58 ]

水泳世界選手権第8日 ( 2023年7月21日    福岡 )

<世界水泳 第8日目 男子高飛び込み 準決勝>決勝進出し、パリ五輪内定を決めた玉井(撮影・平嶋 理子)
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 男子高飛び込み準決勝が行われ、前回大会銀メダルの玉井陸斗(16=JSS宝塚)が427・70点で7位。上位12人による22日の決勝に進出し、来夏のパリ五輪代表に事実上決まった。決勝で演技すれば日本水連の定める条件をクリアして内定する。2大会連続の五輪切符を手中に収め「ほっとした気持ちが強い。腰が痛すぎて。最後(のジャンプ)はやりきるしかないという思いで飛びました」と涙した。

 18人中7番目に登場。最初の2本は水しぶきの上がらないノースプラッシュを決めた。最高の滑り出しを見せ2本目を終えて首位に立ったが、3、4本目は入水が大きく乱れる失敗で11位に後退。5本目も順位を上げられなかった。最終6本目は得意の5255B(後ろ宙返り2回半2回半ひねりえび型)。失敗すれば敗退の可能性もある緊迫した状況で、この日の自身最高タイとなる86・40点をマークした。

 本番3日前。練習前の陸上でのウオーミングアップで古傷の腰痛が再発した。痛みを抱えたままこの日を迎え、予選の1本目が10メートル台からの4日ぶりのダイブだった。失敗ジャンプを重ねならがらも何とか12位通過すると、準決勝ではさらに患部の状態が悪化。5本目の入水時に腰を反ってしまい、ぎっくり腰状態になった。

 決勝は22日。今後の競技人生を考えれば棄権する選択肢もあるが、1本目を飛んで順位がつかなければ、日本としての五輪出場枠が得られず五輪代表には内定しない。玉井は「できる限りのことはやらないといけない。頑張りたいと思います」と声を絞り出した。

 ◇玉井 陸斗(たまい・りくと)2006年(平18)9月11日生まれ、兵庫県宝塚市出身の16歳。3歳で水泳を始め、小学1年から飛び込みに取り組む。神戸市・須磨学園高に在学中。シニアデビューとなった19年4月の日本室内選手権の高飛び込みを史上最年少の12歳7カ月10日で制した。同9月の日本選手権も優勝。JSS宝塚所属で、小学5年時から五輪6度出場のレジェンド寺内健と一緒に練習する。好きな食べ物は牛タン。身長1メートル60、体重55キロ。

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