【砂村光信 展望】左右どちらでも攻撃参加 松島の配置転換で3・5人分のバックスリーに

[ 2023年7月21日 17:00 ]

ラグビーリポビタンDチャレンジカップ2023パシフィックネーションズシリーズ第1戦   日本―サモア ( 2023年7月22日    札幌ドーム )

前日練習に臨んだ松島(中央)ら選手たち
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 日本国内での5連戦を前に、私はW杯フランス大会本番でも対戦するサモアに対してはベストメンバーを組まないと想像していたが、予想は見事に外れた。オールブラックス・フィフティーンには連敗しており、万が一3連敗となれば、選手が自信を失う可能性がある。1週間前から先発5人を入れ替えたジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチの苦心が見て取れた。

 2試合続けてFBで先発した松島に代わって15番に入る山中には、キックゲームのコントロールを期待したい。ハイパントの安定感や、相手キックの予測はもちろん、あえてスペースが空いているように見せて、相手に蹴らせる駆け引きもうまい選手。FBから右ウイングに回った松島は、左右構わずアタックに参加するので、言わば3・5人分のバックスリーになる。攻撃力に加え、ディフェンス面でも連携力のアップを期待したい。

 戦術的にはW杯に向けた細かいサインプレーの落とし込みなどは行っていないはずで、6月の浦安合宿で取り組んだタックルや、早いパス回しの攻撃といった日本らしいラグビーで、どこまでサモアを崩せるか。1週間前の試合は相手がオフロードパスを使ってくると横の連係がほころんでいたが、サモアはファーストコンタクトは強いものの、その後のアタックはオールブラックス・フィフティーンほど難解ではないはず。相手に強く当たり、しっかり前で止めて、後ろに下げるディフェンスを見せてほしい。

 少し気になるのが、2試合続けてSH福田の出番がないこと。W杯本番でもスクラムハーフは3人を連れていくはずで、もしもの場合に備えるためにも、国内では残り2試合になったテストマッチで経験を踏ませたいところだ。(元U―23日本代表監督)

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