元賞金王・藤田寛之が挑む新たな目標「海外メジャーで20位以内に入りたい」

[ 2023年3月17日 08:00 ]

ファンを前に話す藤田寛之(撮影・福永稔彦)
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 【福永稔彦のアンプレアブル】男子ゴルフの藤田寛之(53=葛城GC)が先週、横浜市内で行われたジャパンゴルフフェアでトークショーに出演した。

 ステージを取り囲んだ多くのファンの前でマイクを握った国内ツアー12年賞金王は、22年シーズンを振り返りこう話した。

 「レギュラーツアーのシード復活を第一目標に掲げていたので、それができなかったのは残念だったとまず思っています。ただ、シニアツアーで2勝できたのは非常に良かったなと思います」
 昨季、レギュラーツアーでは17試合に出場し予選通過8試合。トップ10入りは1度もなく賞金ランク109位だった。一方、シニアツアーでは9試合に出場し優勝2回、トップ10入り7回の好成績を残した。

 6月のスターツシニアゴルフトーナメントで初優勝を飾ると、新たなターゲットを見つけた。「シニアの賞金ランクで上位に行くと、海外メジャーに行けるなと、ふと思ったんです。レギュラーの海外メジャーが凄く良かったので、もう1回そこに行きたいなということでスケジュールを変更したんです」

 シニアの賞金ランク10位以内の上位2人には全英シニアオープン、同4位以内には全米プロシニアと全米シニアオープン出場権(いずれも翌年の大会)が付与される。初優勝で賞金ランクトップに立った藤田は海外メジャー出場を強く意識するようになった。

 当初はレギュラーのシード獲得のためレギュラー優先の日程を組んでいたが、シニア重視のスケジュールに組み替えた。そして8月のマルハンカップ太平洋クラブシニアで2勝目。その後も9月の日本シニアオープンで2位になるなど再三優勝争いに加わり、賞金王はプラヤド・マークセン(タイ)に譲ったが、賞金ランクは堂々2位。藤田は「途中で目標を変更したんですけど、そっちの目標はゲットできたのでうれしかったですね」とほっとしたような笑顔を見せた。

 5月に全米プロシニア、6月に全米シニアオープン、7月に全英シニアオープンに出場する。レギュラーの海外メジャーは15年の全米オープンと全英オープンが最後。8年ぶりの大舞台に向けて「第1段階の目標としては(予選通過して)4日間プレーしたい。その次の目標として20位以内に入ることが最終ゴール。レギュラーの海外メジャーに出た時に20位以内に入りたいと思っていたので、それを具現化できればいい」と意気込みを示した。

 6月には54歳になるが、挑戦する姿勢は変わらない。今季はレギュラーツアー、シニアツアーに加え、若手が主体の下部ツアーにも出場予定。ツアーで戦いながら「ヤマハジュニアゴルフスクール」の校長を務めゴルフの普及にも尽力している。「今季は3つのツアー、プラス海外メジャーにも挑戦する。非常に楽しみです」。そう話す藤田の表情は充実感に満ちていた。
(スポーツ部専門委員)

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2023年3月17日のニュース