高木美帆が大会新で7連覇 派手なガッツポーズは「姉の影響」

[ 2022年10月21日 18:54 ]

スピードスケート全日本距離別選手権第1日 ( 2022年10月21日    長野市エムウェーブ )

高木美帆
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 新シーズンの幕開けを告げる大会が開幕し、女子1500メートルは北京五輪銀メダルの高木美帆(28=日体大職)が1分53秒34の大会新記録で7連覇を達成した。14組中12組のインスタートで登場。同走の佐藤綾乃(25=ANA)に3秒20差をつけ、自身が1年前にマークした大会記録を1秒25更新。フィニッシュ直後は両手で派手にガッツポーズし「いい記録を出すことができて率直にうれしかった。設定通りのラップで700メートル、1100メートルを回れたことは大きな収穫だと思います」と笑顔を見せた。

 今季から所属の枠を超えて活動するナショナルチーム(NT)を離れ、昨季までNTコーチを務めたオランダ人のヨハン・デビット・コーチと新チームを結成。現在、選手は高木しかおらず、1人で氷上練習する機会も多い。練習環境の整っていたNTとは違い、体のケアなども自身で行う必要がある。「NTの偉大さを感じる」一方で「思考する機会が多いのは純粋に面白い」。今後は選手やスタッフを増やしてチームを拡大する計画もあり、試行錯誤の中で新シーズン初戦を迎えていた。

 昨季まではNTで女子団体追い抜きメンバーの姉・菜那さん、押切さん、佐藤の4人で切磋琢磨(せっさたくま)してきた。菜那さん、押切さんは昨季限りで現役を引退。環境が大きく変わり「去年までは4人で競い合ってきたので、ぽっかり穴が空いてしまった感じ」と一時はモチベーション維持に苦しんだ。練習で心が折れそうな時に効果的なサポートをしたのがヨハン・コーチだ。自転車でのロードトレーニングでは高木の後ろにピタリとつけて鼓舞。NTの選手のトライアルでのタイムを入手して高木に伝えるなどしてやる気をかき立てた。

 この日は菜那さんが中継でテレビ解説を務めた。レース前に高木は「私が解説するからガッツポーズしてね」と伝えられており「ガッツポーズが派手になったのは姉の影響ですね。姉の解説は聞きたくない気持ちもあるけど、後でじっくり聞いて選手側の意見をフィードバックしたい」と笑った。

 今大会は4種目に出場。22日に500、3000メートル、23日には1000メートルを残しており「この1回のレースで評価するのは難しい。連戦でどうなるか。一つ一つ気を引き締めていきたい」と気持ちを切り替えた。2月の北京五輪で金1、銀3のメダルを獲得した最強オールラウンダー。NTを離れても強さは変わらない。

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2022年10月21日のニュース