日体大3年の新星!土井 内村、白井両氏の助言で成長 個人総合3位 世界初切符

[ 2022年5月16日 05:30 ]

体操NHK杯最終日 ( 2022年5月15日    東京体育館 )

ゆかの演技をする土井陵輔(撮影・小海途 良幹)
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 4月の全日本個人総合を持ち点として争われた男子個人総合で、土井陵輔(20=日体大)が3位に入り、初の世界選手権(10~11月、英リバプール)の日本代表入りを決めた。東京五輪2冠で既に代表が内定していた橋本大輝(20=順大)が2連覇を達成。神本(かもと)雄也(27=コナミスポーツ)は2位で3年ぶりに代表復帰した。残る代表2枠は来月の全日本種目別選手権の結果も踏まえて決定する。

 もう驚きはない。先月の全日本選手権3位は土井自身が「想定外。自分でも驚いた」という結果だったが、代表切符が懸かった大一番で会心の演技を見せて堂々の3位。「この舞台で、全日本から大きなミスなく演技できた自分を褒めたい」と胸を張った

 東京五輪2冠の橋本とは同学年で、ともに出場した19年世界ジュニア選手権で団体金メダルを獲得。橋本が日本のエースに成長する一方で、土井は大学進学後の代表選考会で結果を出せずにいた。だが、この日は最初の床運動で14・733点の高得点を出すと、「順位は意識せず、自分の演技を見てもらおうと思った」と伸びやかな演技を披露。今大会全体トップの85・798点をマークした。

 「本当にうれしい。(橋本は)雲の上の存在だけど、やっと少し近づけたかな」

 小学時代から取り組んでいるトランポリンで磨いた空中感覚が最大の武器。リオ五輪金メダリストの白井健三コーチは「体の操り方がうまく、体操の質が高い」と評価。「ひねりのかけ方より床の蹴り方とか、主に空中に出る前の動作を指導してきた」という。現役引退後に母校で指導もする内村航平氏から教わった試合前の調整法も結果に結びつけた。

 出来栄えを示すEスコア(実施点)の合計は全日本選手権決勝に続き、全体トップ。さらに難度の高い技に挑戦できる潜在能力も秘める。土井は「落ち着いて奇麗な演技をするのが自分の魅力。スタートラインに立ったと考えて、一から体操を見直して頑張っていきたい」と初の大舞台に目を向けた。

 ◇土井 陵輔(どい・りょうすけ)2002年(平14)1月7日生まれ、福岡県出身の20歳。父の転勤で岡山市に転居し、小1から体操を始める。岡山・関西高では19年インターハイ個人3位、同年の世界ジュニア選手権で団体金メダル、個人総合銀メダルを獲得。1メートル60、54キロ。

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