早大 日比野元監督に手向けの早慶定期戦10連勝!逆転優勝へ望みつないだ

[ 2021年11月24日 05:30 ]

ラグビー 関東大学対抗戦Aグループ   早大40―33慶大 ( 2021年11月23日    秩父宮 )

<早大・慶大>前半5分、早大・佐藤が先制トライを決める(撮影・篠原岳夫)
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 98回目を迎えた伝統の一戦は、早大が40―33で慶大を下した。定期戦としての通算成績は、早大の71勝7分け20敗となった。早大は前半に持ち味の攻撃力を発揮して、No・8佐藤健次(1年)らが計5トライ。後半に反撃を受けたが、7点差でしのいだ。今季5勝目(1敗)、勝ち点24として3季ぶりの優勝に望みをつなぎ、12月5日の最終戦では明大と対戦する。

 5トライで楽勝ムードの前半から一転、後半は防戦一方で、終わってみれば7点差。一筋縄にはいかない伝統の一戦で初采配を終えた大田尾竜彦監督は「勝ったことは素直に評価したい」と話した。優勝の可能性を残した1勝。前向きな新監督らしい言葉だった。

 「横のワセダ」と表現されるバックスの展開力にアレンジを加え、慶大の「魂のタックル」を無力化した。象徴的だったのが前半最初の3本のトライ。1本目はCTB長田主将、2本目はFB河瀬が直前で内側に切り込んでパスキャッチ。ほとんど触れられずに裏へ抜け出し、トライの起点になった。3本目もSH宮尾が相手を引きつけてフッカー原に短いパス。30メートル独走トライを生み、長田は「アングルチェンジで慶大の圧力を切った。いい攻撃ができたと思う」と振り返った。

 今月14日に元監督の日比野弘氏が84歳で死去。手向けの白星となったが、大田尾監督は勝因に「体を張った4年生」を挙げた。3日の帝京大戦敗戦後に行われたジュニア選手権(Bチーム公式戦)で、帝京大に12年ぶり、東海大に9年ぶりに勝利。沈みがちだった雰囲気を「体を張った4年生がチームに勢いを与えた」といい、帝京大B戦で活躍した原は、4年目で初の早慶戦先発の座をつかんだ。

 計4トライを許したモールディフェンスと、相手が戦術を変えた際の対応力には課題を残したが、「課題はこれから取り組めばいい」と大田尾監督。前だけを見る39歳の青年監督の下、チームが一つにまとまろうとしている。

 ▽対抗戦優勝のゆくえ 可能性があるのは帝京大(勝ち点27)、明大(同26)、早大(同24)の3校。帝京大は12月4日の慶大戦に勝てば、明大に勝ち点で並ばれる可能性はあるが、直接対決の結果で優勝決定。帝京大が引き分けか負けの場合、5日の早明戦の結果で優勝が決まる。

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