新垣比菜 逆転シードへ今季自己ベスト65!猛チャージ8位浮上22歳「若い子たちのレベルが凄いので…」

[ 2021年11月19日 20:51 ]

大王製紙エリエール・レディース第2ラウンド ( 2021年11月19日    愛媛県松山市 エリエールGC松山(6545ヤード、パー71) )

<エリエールレディース第2日>18番、セカンドショットを放ち、打球の行方を見つめる新垣比菜(撮影・井垣 忠夫)
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 女子ゴルフの大王製紙エリエール・レディース(賞金総額1億円、優勝賞金1800万円)は19日、愛媛県松山市のエリエールGC松山(6545ヤード、パー71)で第2ラウンドを行った。

 首位に6打差の40位からスタートした新垣比菜(22=ダイキン工業)が今季自己ベストとなる7バーディー、1ボギーの65をマークし、首位とは5打差の通算7アンダー、8位に急浮上。今季からシードの対象となったメルセデス・ランキングは現在圏外の58位だが、この日の猛チャージで単独6位以上が絶対条件の逆転シードが見えてきた。

 賞金ランキングは64位。逆転賞金シードには単独4位が絶対条件になるが、メルセデス・ランキングなら単独6位でボーダーラインの50位を突破できる勘定になる。新制度の恩恵を受けることができるか否か。新垣はその瀬戸際に立っている。

 「気が楽なのでQT(ツアー最終予選会)には行くつもりでいます。今週に入ってからどっちでもいいように準備もしました」

 賞金、メルセデス・ランキングいずれかで55位以内に入らなければ、シード陥落どころか2週間後の最終予選会行きが決まる。最悪のシナリオもあると覚悟を決めた途端に今季不振だったパットの感触が戻り、2~3メートルを次々に沈めて7バーディー。5ボギー、2トリプルボギーの83と大荒れだった先週伊藤園レディース最終日のショットもこの日は堅調。12番パー3(155ヤード)では7Iの第1打を2メートルに付けてバーディーを奪った。

 まだ、16歳だった2015年4月に下部ツアーのラシンク・ニンジニア/RKBレディースでアマチュア優勝。2017年7月のプロテストに一発合格し、2018年4月のサイバーエージェント・レディースで早々とレギュラーツアー初優勝。勝みなみ、畑岡奈紗に次ぐ黄金世代3人目のツアー制覇と話題を呼んだ。

 その年に賞金ランキング23位で初の賞金シードを獲得し、翌2019年は優勝こそなかったが、ダイキン・オーキッド・レディース2位など7度トップ入りを果たすなど賞金ランキング27位で賞金シードを確保。ツアー2勝目は秒読みかと思われたが、コロナ禍に見舞われた今季は出場43試合中16試合で予選落ちと不振に陥り、優勝争いに顔を出したのも3位に終わった今年9月のゴルフ5レディース1度だけ。特に自信のあったグリーン上での悩みは深く2018年には全体5位(1・7712)だった平均パット数が今季は全体43位(1・8266)に。試合会場のグリーンに合わせて2種類のパットを使用するなど試行錯誤を繰り返してきたが、まだ、根本的な解決策を見出せないでいた。

 「確かに初優勝した時は調子は良かったんですけど、実力でって感じではなかったと思います。自分がルーキーの時より若い子たちのレベルが凄いので。全体的なレベルも上がってると思ってますし、なかなか、自分もうまくなれなくて調子も上がってこないので」

 シーズン自己ベストを叩き出したこの日も強気の言葉は出てこなかったが、有村智恵、河本結、林菜乃子、浅井咲希らシード当落線上にいたライバルたちは予選落ちし、少なからず逆転シードの可能性は膨らんだ。賞金女王争いを繰り広げる稲見萌寧、古江彩佳ら年下の選手を「若い子たち」と呼ぶには大きな違和感のあるまだ22歳。女子ゴルフ界を席巻する黄金世代のスター候補生の一人。老け込むにはまだ早い。

 <賞金シード当落線上の選手>
(45)大山志保3737万3610円
(46)イ・ナリ3548万7810円
(47)李知姫3532万5169円
(48)
菅沼菜々3373万2393円
(49)有村智恵3201万1751円
(50)3155万6260円
(51)ささきしょうこ3153万9083円
(52)林菜乃子3134万8258円
(53)宮里美香3034万5953円
(54)柏原明日架3015万3107円
(55)山路晶2977万5707円
(56)宮田成華2924万775円
(57)蛭田みな美2836万8887円
(58)鶴岡果恋2771万9268円
(59)河本結2728万285円
(60)高木優奈2706万5425円
(61)吉本ひかる2684万2287円
(62)ペ・ヒギョン2668万1510円
(63)石川明日香2624万2009円
(64)新垣比菜2603万9154円
(65)葭葉ルミ2570万1467円

<メルセデス・ランキング・シード当落線上の選手>
(45)山路晶609・08
(46)李知姫599・06
(47)宮里美香591・01
(48)有村智恵586・07
(49)林菜乃子582・63
(50)河本結579・75
(51)イ・ナリ574・19
(52)菅沼菜々554・03
(53)大山志保547・42
(54)鶴岡果恋532・83
(55)浅井咲希525・20
(56)高木優奈520・34
(57)蛭田みな美509・71
(58)新垣比菜501・52
(59)ささきしょうこ499・72
(60)石川明日香491・29
(61)柏原明日架472・97
(62)吉本ひかる466・96
(63)山城奈々463・98
(64)金田久美子442・37
(65)葭葉ルミ440・36

 ※賞金ランキング、メルセデス・ランキングともに50位までの選手が来季のシード権を獲得し、51~55位までの選手が来季の第1回リランキング(前半戦)の出場権を獲得する。ただし、TP単年登録の選手でプロテストに合格していない選手は51~55位に入っても来季のツアー出場権は発生しない。

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