イ・ボミ “同級生”キム・ハヌル引退表明に涙「自分が引退してる感じ」

[ 2021年10月20日 17:11 ]

<マスターズGCレディース 練習日>1番、ティーショットを放つイ・ボミ(撮影・後藤 大輝)
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 女子ゴルフの「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」(賞金総額2億円、優勝賞金3600万円)は21日から4日間、兵庫県三木市のマスターズゴルフ倶楽部(6571ヤード、パー72)で行われる。

 延田グループ所属のホステスプロ、イ・ボミ(33=韓国)は20日、プロアマ戦に出場するなどして最終調整を終えた。

 「2年前のことが去年のことのような感じがしています。最終日はいいところにいたんですけど、すごく緊張してしまって。すごく優勝はしたいんです。運が来てくれてほしいなあと思います」

 昨年の大会はコロナ禍の影響で中止。今大会は2年ぶりの開催となるが、優勝した柏原明日架(25=富士通)に1打及ばず2位に終わった2019年大会の最終日の情景は今も昨日のことのように思い出される。

 全世界がコロナ禍により大きな打撃を受けたこの2年の間。イ・ボミを取り巻く環境も変わった。2020年8月には「日本のお父さん」と慕っていた延田グループの延田久弐生元会長が他界。大きな悲しみを背負うことになった。今大会直前にはジュニア時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた同級生のキム・ハヌル(32=韓国)が引退を表明。この日、そのハヌルについて質問が飛ぶと「想像したくないし、自分が引退してる感じです。ハヌルにはこの大会がいい思い出になるよう祈ってます」と涙を流しながら話す場面もあった。

 ただ、今のイ・ボミはしっかりと前を向いている。もちろん、心の中に「引退」の二文字はない。

 「辛いシーズンになってますけど、家族の前でもう一度、いいプレーがしたいという気持ちが強いですから。延田会長も見ていてくれると思います。私はまだ、諦めたくはないです」

 コロナ禍による入国制限などのため日韓の往来も困難となり、母ファジャさん(60)が日本でイ・ボミのプレーを観戦したのは2019年11月のツアー選手権リコー杯が最後。この日も愛娘を心配して電話をかけてきたファジャさん。愛する家族と再び日本で優勝の喜びを分かち合うその日までイ・ボミの挑戦は続く。

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2021年10月20日のニュース