やっぱり「CoCo壱番」で強い NTTドコモのNZ代表ペレナラが逆転開幕星に「カレー」に貢献

[ 2021年2月22日 05:30 ]

ラグビートップリーグ第1節最終日   NTTドコモ26-24キヤノン ( 2021年2月21日    東京・Gスタジアム )

<キャノン・NTTドコモ>後半終了間際、反則をアピールするNTTドコモ・ペレナラ(右から3人目)=撮影・小海途 良幹 
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 開幕節の残り3試合が行われ、ホワイト・カンファレンスのNTTドコモは逆転サヨナラPGで劇的勝利を飾った。新加入のSH、TJ・ペレナラ(29)が1トライを挙げる活躍。ニュージーランド代表69キャップの実力を発揮し、26―24でキヤノンに競り勝った。

 ハカのリーダーは正真正銘のリーダーだった。試合前の円陣では仲間に声をかけ、キックオフから笑顔を絶やさず、どこにでも顔を出す。そして導いたのは、サヨナラPGの劇的勝利。銀髪のペレナラが、冠に相応の活躍でトップリーグデビュー戦を飾った。

 8点を追う後半18分。ラックからロック杉下が抜け出すと、嗅覚鋭い9番がすかさずフォロー。左手一本でパスを受けると右中間へダイブした。「9番は常にボールの近くにいるのが鉄則なので、それを徹底しただけ」。何でもないように振り返ったが、チーム初トライで劣勢だった流れは確実に変わった。

 敵陣で動きが停滞した後半26分には、キヤノンにペナルティーが出ると素早くリスタート。フランカー李のトライをアシストした。「前半はだいぶ苦しんだが、後半は自分たちの色が出たと思う」と充実感を漂わせた。

 NZ代表が試合前に披露する儀式「ハカ」では闘志を前面に出すが、素顔はおちゃめだ。試合中には、面識があるキヤノンのSH田中に勉強中の日本語で「家族はどうや?」「出身はどこ?」と話しかけた。日本食のお気に入りは、CoCo壱番屋のカレーだ。「大豆ミートと野菜のカレーは最高。いつも3辛」。すっかり日本に溶け込んでおり、試合後の会見では、律義に一礼して締めた。
 19年のW杯日本大会で6トライを挙げたWTBマピンピ(南アフリカ)が戦術的理由でベンチ外だったにもかかわらず、つかんだ勝利。毎年、下位に甘んじるチームが一人の男によって、華麗な変貌を遂げるかもしれない。

 ◆TJ・ペレナラ1992年1月23日生まれ、ニュージーランドのポリルア出身の29歳。本名はトーマス・テカナプ・ラワカタ・ペレナラで、TJはトーマスJr.の略。先住民族マオリの血を引き、左腕のタトゥーには同族への敬意が込められている。マナカレッジ卒。14年6月に代表デビュー。15、19年W杯代表。通算69キャップ、13トライ。NZの強豪ハリケーンズから今季移籍した。妻と昨年8月に生まれた長女とともに来日。1メートル84、90キロ。SH/SO。

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2021年2月22日のニュース