初場所V・大栄翔、得意の突き押しさらに磨く!理想は名横綱・北勝海

[ 2021年1月26日 05:30 ]

初場所千秋楽で突き出しで隠岐の海を破って優勝を決めた大栄翔(右)
Photo By スポニチ

 大相撲初場所で初優勝を果たした前頭筆頭・大栄翔(27=追手風部屋)が歓喜から一夜明けた25日、埼玉県草加市の同部屋でリモート会見に応じた。予想以上の大反響に驚き、今後はさらに得意の突き押しを磨いて高みを目指す決意を示した。

 反響の大きさに実感が込み上げてきた。初土俵から9年で夢をかなえた大栄翔にお祝いメールが約400件も送られてきた。埼玉栄高の後輩で親しい貴景勝からLINEも届いたが、まだ返せていない。27歳にとって、うれしい悲鳴だ。

 「幕内最高優勝は夢のまた夢で、テレビの中の話という感じだった。自分がするとは考えられなかった。(メールを)まだ返せてないがこれからしっかり返したい。全部で400件ぐらい。幕内最高優勝は凄いことなんだと実感した」

 上位総なめで始まった快進撃。その要因を「立ち合いの踏み込みと角度と鋭さが自分でも良かったと思う。相手を起こした後の突きも回転良く休まず攻められた」と分析する。理想は元横綱・北勝海の八角理事長が若い時に見せた突き押し相撲。最高位を射止めた攻撃姿勢を「回転が良くどんな相手にも突いて、速い突き押しで圧力もあって理想の相撲」と目標に掲げた。

 力強い相撲で優勝した姿を見せられれば周囲の期待は膨らむばかり。だが、本人の中では新関脇で5勝10敗とはね返された昨年秋場所の雪辱が最優先。「一つずつ地道にかなえていきたいと思う。これからもコツコツ頑張っていきたい。まずは関脇での勝ち越しを目指したい」。地に足を着けて前へ進む。

 18年九州場所で初優勝を果たした貴景勝に刺激を受けて奮起。3学年下のかわいい後輩が賜杯を抱き、大関に昇進し、横綱へと駆け上がろうとする姿を指をくわえて見ているわけではない。新たな目標を立ててはいるが、心の奥には看板力士となる青写真が描かれているはず。初夢をつかんだ男は「自分も上を目指して頑張る」と言葉に力を込めた。

続きを表示

この記事のフォト

2021年1月26日のニュース