京都成章、攻守に圧倒して早実を完封 「ジャイアン」本橋がチームをけん引

[ 2020年12月31日 05:30 ]

第100回全国高校ラグビー大会2回戦   京都成章33―0早実 ( 2020年12月30日    花園ラグビー場 )

<京都成章・早稲田実>前半、タックルを受けながら、突進する京都成章・本橋(撮影・坂田 高浩)
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 “本家”も顔負けの推進力だ。前半5分、ゴール前のスクラム。ロック本橋拓馬がボールを入れ、SH宮尾からパスを受けるスペシャルプレーで複数選手を蹴散らし、左中間へ先制トライ。「勢いがつけられた」という自画自賛のプレーの後も、攻守で京都成章の先頭に立ち、FW戦の主導権を渡さなかった。早実に33―0。内容も伴う白星に今大会初出場のFWリーダーは目を細めた。

 「(下級生だった)昨年まではついていくだけ。今年は意識的にチームを引っ張っていこうと思っています」

 押しの強い性格と1メートル93、113キロの巨体から、湯浅泰正監督(56)は親しみを込めて、「ジャイアン」と呼ぶ。ガキ大将の見本は最上級生になって確実に変わった。ミーティングも仕切り、部員の意見に耳を傾けながら、運営を進めていく。「今は賢いジャイアンですよ」。“出木杉君”のキャラを兼ね備えた背番号4は、もはや無敵の存在だ。

 ラスト1プレーで逆転された1年前の常翔学園戦(準々決勝)で味わった苦みは、まだ胸に残る。初の頂点へ――。京都成章のジャイアンは、今年こそ願いを叶えるドラえもんになる。

 ○…日本列島を覆う寒気のため、10メートル近い強風が吹いた花園ラグビー場。京都成章―早実戦の試合中には、第2グラウンドのスコアボードに貼られた「京都成章」の校名カードが吹き飛ばされるアクシデントがあった。名前が“落ちる”縁起の悪い出来事にもかかわらず、試合では京都成章が快勝。湯浅泰正監督は「風が強くて、選手間の指示の声が全く聞こえなかったようです」と思わぬ“外敵”に首をすくめていた。

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2020年12月31日のニュース