松島幸太朗 仏リーグで初トライ! 日本のエースが“存在感”発揮の2トライ、暫定首位に導く

[ 2020年10月26日 05:30 ]

ラグビーフランス1部リーグTOP14第6節   クレルモン50―29ポー ( 2020年10月24日    クレルモンフェラン )

<クレルモン・ポー>タックルを受けるクレルモンの松島
Photo By 共同

 2試合連続で右WTB(14番)で先発したクレルモンの松島幸太朗(27)が、記念すべきリーグ戦初トライを含む2トライを挙げた。決定機でトライゲッターの役割を果たすとともに、力強いラインブレークで好機も演出。チームも今季5戦目で初のボーナスポイント(相手の3トライ以上)付きの勝利を挙げ、勝ち点18として暫定首位に浮上。日本代表のエースがフランスでも存在感を増してきた。

 ウイングを任されている以上はトライを取り切るのが仕事。リーグ戦出場3試合目で、松島がチームの期待に満額回答してみせた。

 まずは後半6分、グラバーキックで裏へ抜けたSOロペスから20メートルのロングパスを右大外で受け、15メートル先のインゴールへまっしぐら。同37分にはライン際でラストパスをもらうと即座にフルスピードへ加速。ゴールまで30メートルの間に3人をスピードとステップで次々にかわし、喜びを表現するかのようにボールを夜空へと舞い上げた。

 「自信に満ちあふれる感覚で臨むことができた。(リーグ戦で)やっとトライもできて順調に来ている」

 ただ、松島の真骨頂は前半8分のトライアシストだろう。中央のエリアでラインブレークして相手を背走させ、さらに2次後の攻撃でも電光石火のパスダミーでゲインラインを突破し、SHベジにラストパス。スピード、切れ、腰の強さを伴ったランに加え、周囲との連係が格段に高まったことを証明し「仲間への指示もスムーズになってきた」と大きな手応えをにじませた。

 欧州でも23日からテストマッチがスタート。リーグは並行開催のため、各チームは主力選手が抜けた。本来、松島も日本代表に招集される時期だが、コロナ禍の今年は代表活動なし。そのうっぷんを晴らすかのような活躍に、フランク・アゼマ監督も「どんどんフランス語を理解するようになってきている」と、仏会話能力の向上がパフォーマンスに結びついたとみている。

 「体重を増やした体をもっとうまく使えるようにしないと」。2トライ1アシストにもあいさつ代わりと言いたげに課題を挙げた松島の視線は、もっと上、もっと先を捉えている。

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2020年10月26日のニュース