アメフット“26歳キッカー”佐藤敏基 日本人初のNFL入りへ挑む「精神力で戦える唯一のポジション」

[ 2020年6月22日 05:30 ]

アメリカンフットボールで日本人初の米プロNFL入りを目指すIBMの佐藤
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 アメリカンフットボールで日本人初の米プロNFL入りを目指すキッカーの佐藤敏基(26=IBM)がインタビューに応じ、世界最高峰の舞台への意気込みを語った。今春のトライアウトで好成績を残してNFL公認代理人と契約。NFLやカナダ(CFL)のチームから接触があるといい、夢の実現に向けて歩んでいる。

 ――NFL挑戦に向けた現在の状況は。
 「カウボーイズとレイダーズが興味を持ってくれており、オファーを待っている。カウボーイズはキッカーが3人いて、1人は高額契約しているから難しそうだが、レイダーズは2人しかいない。今後のキャンプで2人が良くなかったら追加招集される可能性があると思う」

 ――NFLからオファーがなかった場合は。
 「カナダのチームからも接触があって、感触はかなりいい。カナダでプレーしてしっかり結果を出して、それをステップにしたい。カナダでやればNFLのスカウトにも見てもらえるし、トライアウトを受けるときの待遇も上がる。悪いことは一つもない」

 ――NFLに挑戦した日本人は過去にもいたが、実現しなかった。
 「コンタクトスポーツなので、体の大きさとか足の速さとかがハンデになりやすい。でも、キッカーはどれだけ確率高く決められるか、勝負強いかが大事。筋力でなく精神力で戦える唯一のポジション。日本人がNFL選手になれない要素ができるだけ排除されているのがキッカー」

 ――新型コロナウイルスがNFLにも影響を与えている。
 「3月のトライアウトができたのは不幸中の幸い。春季キャンプは行われなかったが、夏季キャンプとプレシーズンキャンプでも選手の入れ替えは必ずある。呼ばれた時に向けて準備したい」
 ――これからの夢。
 「まずはNFLでプレーすること。そこから見える景色で自分が何をしていけるか、自分だけができることは何かを探していきたい」

 ◆佐藤 敏基(さとう・としき)1993年(平5)9月30日生まれ、神奈川県出身の26歳。東京・早大学院高で競技を始めた。当初はQBで、高校3年からキッカーに転向。2010、11年全国高校選手権優勝。早大に進み、4年生だった15年に全日本大学選手権決勝、甲子園ボウルに出場した。日本社会人XリーグのIBMに所属し、昨年11月に日本最長記録に並ぶ58ヤードのFGを成功させた。1メートル78、80キロ。

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