ケイリン脇本が銀、東京五輪出場枠ゲット!リオ雪辱&競技発祥国悲願の金へ

[ 2020年2月29日 05:30 ]

自転車 トラック種目世界選手権第2日 ( 2020年2月27日    ドイツ・ベルリン )

男子ケイリン決勝で2位に入った脇本(中央)が東京五輪出場枠を獲得
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 男子ケイリンで脇本雄太(30=日本競輪選手会)が銀メダルを獲得し、東京五輪出場枠1を獲得した。脇本の代表選出も確実となった。日本発祥のケイリンは、2000年のシドニー五輪から採用されており、日本勢は08年北京五輪の永井清史(日本競輪選手会)の銅メダルが過去最高。地元五輪で悲願の金メダルを目指す。

 大一番で会心の走りを見せた。ケイリンの脇本は持ち味の持久力を生かした積極的なレースで銀メダル。五輪代表の座も確実にし「これ以上ない状態で臨めた。ホッとしているのと、金が獲れず悔しい気持ち」と充実した表情で話した。

 先行逃げ切りの強さが光った。1回戦から早めに仕掛け独走ゴール。準決勝では残り2周でスパートし、昨年の世界選手権スプリント王者のラブレイセン(オランダ)らを引き離し1位通過した。しかし、同じタイミングでスパートを掛けた決勝では、脇本の動きに合わせてきたラブレイセンにかわされた。「先頭に出るだけしか能がないと思われている。相手が嫌なことをしないと」と自ら挙げた課題を改めてつきつけられた。

 17年12月にW杯で日本勢14年ぶりの優勝を果たしたが、世界選手権では一昨年は河端朋之、昨年は新田祐大(ともに日本競輪選手会)が銀メダルを獲得。「足踏みしている」と焦りも感じていた。転機は年明けにニューカレドニアで行った合宿。一つ一つの練習の目的を考えながら体をいじめ抜いた。「いいヒントを得た」と、気持ちと体がかみ合う手応えを感じ取っていた。

 日本代表の正式決定は4月の予定だが、ブノワ・ベトゥ短距離ヘッドコーチが「脇本は私のポイントを獲得した」と言うように選出は確実。夏には競技発祥国の悲願を懸け、五輪に臨む。脇本は「この結果に満足せず、五輪で金メダルを獲ることを目標にしていく」と気合を込めた。

 ☆脇本のリオ五輪☆ 16年3月のトラック種目世界選手権ケイリンで5位入賞を果たし代表に初選出。1回戦で6位となったため回った敗者復活戦でも2位に終わり、敗退。最終順位は13位だった。

 ▽ケイリン 日本発祥の競輪から生まれた自転車トラック種目。五輪では最大7人が1周250メートルのトラックを6周して争う。バイクによる先導は3周まで。競輪では相手走路をふさぐことも許されているが、ケイリンでは禁止されている。男子は00年シドニー、女子は12年ロンドンから五輪実施種目入り。

 ◆脇本 雄太(わきもと・ゆうた)1989年(平元)3月21日生まれ、福井県出身の30歳。福井・科学技術高で自転車を始め、2、3年時に国体1000メートルタイムトライアル連覇。08年競輪デビュー。16年リオデジャネイロ五輪代表。17年12月のW杯で日本勢14年ぶりの優勝、18年10月にW杯2勝目。競輪のG13勝。日本競輪選手会所属。1メートル80、82キロ。脚質は逃げ。

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