貴景勝 慢心なし「一寸先は闇」、母校埼玉栄高に凱旋

[ 2018年12月18日 05:30 ]

母校・埼玉栄高の後輩の前を通り優勝報告会が行われた体育館に入る貴景勝(撮影・郡司 修)
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 大相撲九州場所で初優勝を飾った小結・貴景勝(22=千賀ノ浦部屋)の優勝パレードが17日、さいたま市西区で行われ、沿道には約5000人が集まった。母校・埼玉栄高での優勝報告会では、埼玉栄中も含めた約3000人の全校生徒の前で「一寸先は闇」という恩師の教えを紹介。優勝したことにおごらず、今後も精進していく決意を示した。

 時の人となった貴景勝の母校凱旋。約500メートルの沿道は5000人ものファン、生徒で埋まった。力士の優勝パレードは16年秋場所で全勝優勝した大関・豪栄道が同年10月に行って以来で、その時の4000人を上回った。「たくさんの人に祝福してもらい、ますます頑張らなければいけないという気持ち。自分が知らないところで応援していただき、本当にありがたい」。卒業から3年9カ月の22歳は、盛大な催しに感謝の言葉を口にした。

 元師匠の貴乃花親方が相撲界を去り、部屋を移籍、そして兄弟子の貴ノ岩は付け人への暴力の責任を取って引退と環境が大きく変わる中でも自分を見失うことはない。埼玉栄で過ごした高校時代の3年間を「自分の原点」と言い切る。当時、相撲部の山田道紀監督から言われた言葉は、今でも胸に残っている。優勝報告会では「一寸先は闇」という言葉を全校生徒の前で紹介した。「どんなに良くても、ケガをするかもしれない。調子に乗ってはいけないということを教わった。調子に乗らず、次の場所に向けて稽古していく」。優勝してもおごらず、これまで以上に精進を続けていくことを約束した。

 山田監督とともに寮生活を続ける後輩には500キロのコメを贈った。「もっと埼玉栄のために何かできたらと思っている」。来年初場所(1月13日初日、両国国技館)では新関脇昇進が確実。周囲の大関昇進という期待には「いつかなりたいとは思っている」と言い切った。目標達成には「稽古をして治療してトレーニングをして強くなるしかない」。22歳で賜杯を抱いた男は母校で初心に帰った。

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