奈紗 米ツアー初V!日本勢最年少、藍さん最後の優勝大会制す

[ 2018年6月26日 05:30 ]

米女子ゴルフツアー アーカンソー選手権最終日 ( 2018年6月24日    アーカンソー州 ピナクルCC=6331ヤード、パー71 )

米女子ツアーで初優勝し、水をかけられて祝福される畑岡(AP)
Photo By AP

 首位タイから出た畑岡奈紗(19=森ビル)が8バーディー、ボギーなしの63で回り、通算21アンダーの192でツアー初優勝を果たした。日本勢の勝利は昨年4月の野村敏京(25=Q CELLS)以来10人目。12年に22歳で勝った宮里美香(28=NTTぷらら)を抜く日本勢最年少優勝となった。昨年引退した憧れの宮里藍さん(33=サントリー)が最後に優勝した大会で、2位に6打差をつける圧勝。新たな日本の顔として鮮烈な印象を残した。

 満面の笑みで優勝トロフィーを掲げた。挑戦1年目の低迷を乗り越え、日本女子の米ツアー最年少V。あどけない表情も残る19歳が、世界に「NASA」の名をとどろかせた。

 「今年は何度か優勝争いをしてきたが勝ちきれなくて悔しかった。最後まで攻めるゴルフができて良かった」

 最終日最終組の重圧をはねのけた。M・リーと同スコアの通算13アンダーで首位から発進。3番でグリーン右からのチップショットを沈めて勢いに乗ると、前半で4つ伸ばしてリードを奪う。後半も攻勢は変わらず、18番パー5では第3打をピン20センチにつけてバーディー締め。この日最少スコア63をマークし、初優勝を通算21アンダーの大会新で飾った。

 米ツアー挑戦2年目。1年目の昨季は単身で米国に渡り、出場19試合で途中棄権を含む予選落ち12回と苦戦した。6月から7月にかけては7連続予選落ち。異国での挑戦は孤独で、母・博美さん(48)に電話で「日本に帰りたい」と嗚咽(おえつ)を漏らすほど追い込まれた。そんな時に、助言をくれたのが現役最終年を戦っていた宮里藍さんだった。「自分を信じてやることだよ」。食事に誘ってもらい、こう声を掛けられた。「本当にうれしかった。話を聞いてもらっただけで凄く落ち着いた」と感謝した。

 昨夏にトップを高く保つフォームに回帰してからショットが好調。昨季はティーショットの平均飛距離が251・12ヤード、フェアウエーキープ率とパーオン率は約60%にとどまったが、今季はいずれも70%前後で飛距離は263・27ヤードと改善し、ここまでトップ10入りが4度と躍進した。満を持して臨んだ今大会は、宮里さんが6年前に米ツアーで最後に優勝した大会だった。

 昨年引退した憧れの先輩と同じタイトル。「ずっと藍さんを目標にやってきた。バトンを引き継ぐじゃないけど、日本を盛り上げるために私が頑張りたい」。歴代優勝者として飾られた宮里さんの写真の前で力強く宣言した。

 ◆畑岡 奈紗(はたおか・なさ)1999年(平11)1月13日生まれ、茨城県出身の19歳。母親の影響を受けて11歳でゴルフを始める。中学時代は陸上部で、茨城・ルネサンス高入学を機にゴルフ専念。15年から世界ジュニア選手権2連覇。17歳だった16年10月に日本女子オープンで史上最年少優勝し、プロに転向。同年の米ツアー最終予選会を突破し17年から米ツアーに参戦。17年は日本女子オープンで2連覇。名前は米航空宇宙局(NASA)に由来する。1メートル58。

 ▼日本女子プロゴルフ協会・小林浩美会長 凄くうれしい!初優勝まことにおめでとうございます。この後もばんばん勝ち続けて、賞金上位とメジャー制覇を狙ってください。

 ▼日本女子プロゴルフ協会・樋口久子顧問 昨年1年の苦労が実りましたね。一人で頑張って、いい勉強になったと思います。力のある人ですから、いずれチャンスはあると思っていました。

続きを表示

この記事のフォト

2018年6月26日のニュース